【はっとの勝手に名画鑑賞会】
第485回「姿三四郎」(1943)
黒澤作品も、あと2作品観れば30作品コンプリート(^^)
てなわけで、残りの2本の内の一本、1943
年公開、「姿三四郎」を観ました(^。^)
小津安二郎が100点満点で120点!と絶賛したくらい、めちゃくちゃ面白いです♪
後の黒澤作品の娯楽のエッセンスがほとんどぶち込まれていると言っても過言ではありません。
やはり黒澤明恐るべしですね☆
ピュアで一途な姿三四郎を藤田進が好演しています。デビュー作から、すでに黒澤作品に重厚な彩りを与える志村喬の演技も素晴らしいです。
大河内傳次郎や月形龍之介、そして黒澤映画常連の高堂国典などクセの強い俳優の演技も素晴らしいですが、
何よりも小夜役の轟由起子の眩しいくらいの美しさというか可愛さにやられてしまいます。
轟は当時、日本映画の父である牧野省三の息子、マキノ雅弘の嫁さんだったんですよね。その息子、マキノ正幸は、安室ちゃんを輩出した、あの湘南アクターズスクールの創設者なのです。
「姿三四郎」は富田常雄の原作ですが、発売前に新刊書の広告文を見たただけで映画化できるとピンと来た黒澤が、すぐに原作者に交渉に入り、かなりの争奪戦の末、富田の奥さんの勧めもあり、映画化の権利を獲得したそうです。
それにしも黒澤明、デビュー作ってだけでなく、この傑作を戦時中に生み出してしまうって、どんなよ?(笑)
1943年公開当時、97分の作品でしたが、
翌年の再上映の際に、勝手に誰かにカットされ、79分になってしまったそうです。そのカットされた映像は戦争のドサクサで紛失してしまいましたが、なんとロシアのゴスフィルムフォンドに一部奇跡的に所蔵されていて、2000年に日本に帰って来たそうです。
それでも91分にしかならず、残りの6分はまだ発見されていないそうです。
たった6分、されど6分(>_<)
誰かの余計な仕業のせいで、
黒澤明のデビュー作の完全版は
未だに幻なんですねぇ。。。
まあ、でもその6分がなくても充分楽しめるんで、皆さん是非!ご覧あれ*\(^o^)/*
さあ!黒澤作品コンプリートまで後1本!
次回はその最後の一本「續姿三四郎」を
鑑賞したいと思います♪
【人生はまるでロード・ムービー、
次回も一緒に過去に置き忘れた
宝物を探しに行く旅に出ませんか?】
それでは、また(^_−)−☆