【はっとの勝手に名画鑑賞会】

453回「愛の亡霊」(1978


前回観た「愛のコリーダ」の

あまりの先鋭的な世界観に

驚嘆すると同時に感動してしまったので、

その2年後に同じく

フランス資本で製作された

大島渚監督の1978年公開作品、

「愛の亡霊」を観ました。



同じ藤竜也主演作でも

あったので、期待度マックスで

鑑賞しましたが、

ちょっと肩透かしをくらった

ような感じでした( ;)


「愛のコリーダ」のように

検閲やタブーに抗うような

要素はどこにもなく、

いたって普通の内容なんですよね。


恐らく「愛のコリーダ」で

賞賛はされながらも、

かなりのバッシングも受けたはずだし、

「愛のコリーダ」の書籍の

猥褻裁判と時期が重なっているので、

あまり無茶なことは

できなかったのかもしれませんね。


ただ不思議なのは

この「愛の亡霊」は今まで観て

来た大島渚作品とトーンが

似ていますが、

「愛のコリーダ」は、

何かやっぱ違うんですよね。


カットとか構図とか演出とか

これだけ特別な感じがするのは

なぜでしょう?


この時だけ、神様が降りて来たか?

フランス人も含めて、大島渚監督

以外のブレインのテコ入りが

存在したか?もしかしたら、

阿部定か松田瑛子の魔力

だったりするかもしれませんね♪


いつかゆっくり

この謎も掘り下げてみたいと

思います。


「愛の亡霊」の話に戻りますが、

ストーリーもあまりに

ステレオタイプの怪談話を

ベースにしていて凡庸な感じだし、

あれだけ好いたらしい演技が輝いていた

藤竜也も、その魅力を発揮

できない感じで終わっています。


だだ唯一出色なのは

40歳を越えて、

この作品に体当たりで

挑んだ吉行和子ですね。


金八先生とほぼ同時期の

映画ですが、

180度違うスタンスの

演技を繰り広げていて

素晴らしいです。


彼女を観るための映画と

言っても過言では

ないかもしれませんね。


いずれにしても

この作品もずっと気になっていた

ので、ついに観ることが

できて良かったです(^.^)


【人生はまるでロード・ムービー、

次回も一緒に過去に置き忘れた

宝物を探しに行く旅に出ませんか?】


それでは、また(^_−)−☆