【はっとの勝手に名画鑑賞会】
第401回「乱」(1985)
この名作映画鑑賞ブログも
400回を達成し、
さて、これからどんな作品を
観ていこうかと考えているわけですが、
今年の目標として掲げた
連載500回と共に
黒澤明監督作品コンプリートは
したいなと思っています。
すでに全作品の半分以上は
観てますが、いろいろ
文献を読んでみると
やっぱどの作品も観逃せない
感じなんですよね。
自殺未遂以前の作品は特に。
そんなわけで、今回は
自殺未遂以後の作品で唯一観てなかった
1985年公開の「乱」を観ました。
1985年と言えば、僕の思春期で
あり、映画よりも音楽に夢中で、
リアルタイムで観ることもなく、
「影武者」の評判の悪さの影響で
黒澤映画=つまらないという
思い込みを長い間していたため、
今の今までズルズルと観ないまま
来ちゃったんですよね。
まあ、26億円の製作費を
掛けたわりには
過去の傑作には及ばない感じ
はありますが、
やはり他の追随を許さない
レベルの内容であるのは
間違いないですね。
何で、黒沢作品は
一つ一つのシーンが
あんなに厳かで凄みの
ある絵になるんでしょうね?
ストーリーはともかく
その黒澤が醸し出す
美の世界に圧倒されます。
城が燃えるシーンなんか
もはや「風と共に去りぬ」の
弾薬庫の炎上シーンを
軽く凌駕する美しさだと思います。
「影武者」では今一やる気を
感じなかった仲代達矢も
一世一代の演技をしています。
この時、まだ49歳って
いうのがまた凄いです。
どう見てもヨボヨボ爺さんにしか
見えない(>_<)
寺尾聰、根津甚八、隆大介
ピーターなど、演技派の若手
が中心に頑張っていますが
特に良いのは原田美枝子、
井川比佐志、そして
野村萬斎になる前の野村武司、
前回の「影武者」に続いて
登用された素人代表の
油井昌由樹も健闘しています。
脚本は黒澤と、小國英雄、井出雅人
の共同執筆ってことに
なってますが、小國は黒澤と
喧嘩して途中で降りている
そうです。
さらに音楽の武満徹とも
黒澤はケンカしたみたいで、
なかなか大変な製作過程だった
ことが窺えますね。
元ネタはシェイクスピアの
「リア王」ってことで
話の筋的に非常に分かりやすい
し、迫力ある戦闘シーンも
満載で飽きることなく
観ることができますが、
過去の作品に比べて
どうしても何か足りない気が
するのは、やはり歳をとって
リア王ではなく裸の王様に
黒澤がなってしまったということなのか?
ウサギと亀の話じゃないけど、
結局、金を掛けなくても
謙虚な姿勢で
コツコツ作品を撮り続けている
山田洋次やクリント・イーストウッド
みたいな監督の方が
生涯通して質の高い映画を製作することが
できたりするんですよね、きっと。
ただ、この二人にしても
黒澤の存在がなければ、
今の地位はないかもしれないですからね。
それぞれ天から与えられた
役割みたいなもんが
あるんでしょうね。
さあ、「乱」も観終えたことで、
後は自殺未遂前の抜け落ちてる
10作品のみ。
楽しんで観ていきましょう!
【人生はまるでロード・ムービー、
次回も一緒に過去に置き忘れた
宝物を探しに行く旅に出ませんか?】
それでは、また(^_−)−☆
