僕の音楽リスナー遍歴
第二話

ボウイの解散と共に音楽ジプシーと
化してしまった僕は
心の隙間を埋めてくれる
バンドをしばらく探す日々が
続く。

そんな中、FMのラジオ番組で
偶然ザ・プライベーツの生ライブが
やっていて、その演奏力の高さと
グルーヴ感に魅了され
彼らに興味を抱く。

ボウイほどの熱狂はないものの
彼らのサードアルバム
「SPEAK EASY」が
今後の自分の音楽の趣向性を
決定づけることになる。

その作品はアメリカやイギリスの
オールドロックやルーツミュージックへのリスペクトを感じる
内容となっており、それを
彼らの解釈で日本のロックに
していて、
その雰囲気やサウンドが
アメリカで生まれた僕の琴線に
触れまくり
自分が求めていた音楽性は
これだったんだとやっと
気づくことになる。

そこで、大学生になり暇を持て余していた僕は、その当時のバイト先の
レンタルビデオ屋に遊びに来ていた
中学の同級生と
プライベーツやCCR、ローリングストーンズなどをカバーする
バンドを結成し
近所の友達を集めて、
当時由比ガ浜海岸沿いにあった
ロサンジェルスクラブという
ライブハウスでライブを行う。
このバンドが実は1996年に
結成したSWAMPSの母体となる。

それから音楽の趣向は
よりディープな方へと
突き進み、
カントリーウェスタンにまで
行き着く。

当時普通のCDショップには
カントリーのCDなど
ほとんど置いてなく、
探しに探しまくり
下北沢と渋谷に取り扱い店舗を
見つけ、当時FENで
やっていた
アメリカンカントリーカウントダウンという番組を頼りに
ヒットソングの情報を
収集し、カントリーのレコードを
買い集める日々が続く。
渋谷のレコードショップに於いては
古い雑居ビルの狭い階段を
登り、ぶ厚いドアを開けると
パイプを加えた無口な髭面のオヤジがカントリーのレコードを
かけながら店番をしているような
渋過ぎるお店でした(笑)。

あまりに好きが高じて
実際にナッシュビルまで旅行をして
カントリーのテーマパーク
オープリーランドで
アランジャクソンの生ライブを
見たりもしました。

ただその時期、カントリーシンガーの友人に最近話しを聞くと
ある意味、アメリカでは
第二のカントリー黄金期であり
ジョージストレイトはもちろん、
ドワイトヨーカム、KDラング、
ランディトラビズ、などなど
素晴らしいアーティストがチャートを席巻していたカントリーにとっても非常に重要な時代で
今更ながら自分のアンテナの鋭さに感心をしてしまうのであった(笑)

そんなカントリー漬けの日々が
続く中、
突如としてTBSの深夜に
始まった番組が
そう、あの「イカ天」である。

この番組が
思いのほかセンセーショナルで
面白く、毎週次々に登場する
個性豊かな
インディーズミュージシャンに
釘付けとなる。

BEGIN、マルコシアスバンプ、
そして たまという
番組的にピークを迎えた時期を
リアルタイムで
経験できたのは、今でも
凄く良かったと思うし、
現在、そのイカ天でBEGINと
の決勝で敗北したバンドの
メンバーがSWAMPSに
いるのも、
この番組との不思議な繋がりを
感じずにはいられません。

ただ音楽的なエンターテインメントとして、楽しむことはできた
番組ではあったが、
自分の音楽の趣向性に影響を
与えるものではなく
相変わらず、好きなのは
オールドロックやルーツミュージックをベースにした音楽であった。

その当時、レンタルビデオ屋と
同時にレンタルCD屋でも
バイトをしていたんですが、
そこで生涯一のミュージシャンの作品と出会います。
それは、そこの店の店長が勧めてくれたジョンハイアットの
「ストールンモメンツ」という
作品で、
未だに自分の中で、これを
越える作品には出会ってはいない。

そしてその作品は自分がミュージシャンとして音楽を制作していく上でのバイブルとしての位置づけでもあり、たぶんこれからも
自分の中では一生色褪せることは
ないでしょう。

つづく