生まれて6か月くらい頃から、子どもさんは「いないいないバー」が大好きになります。それは、ピアジェの理論に基づいて認知的な発達から説明をしますと「物の永続性」という「物が見えなくても物は物として存在する」という、物の概念の基本が頭の中にできたということを示しています。

 

さて、同じくピアジェの理論に基づいて考えていきますと、1才から1才半くらいの頃から、「ふり遊び」というものが現れます。例えば「テーブルを拭く」「くしを髪にあてる」「モップを床の上で動かす」などです。これらは「模倣」の始まりということができます。

 

「模倣」というのも、認知的な発達の上で重要なポイントです。このころから子どもは「目の前になくても、頭の中で思い浮かべて操作を行う 」ということができるようになっていきます。これを専門的には「表象的思考」と言います。

 

そして、もう一つ、それまでのお母さんを中心とした大人とのやり取りを通して「物事の順序を記憶する」ということができるようになります。「テーブルを拭く」ということも「くしを髪にあてる」ということも、「モップを床の上で動かす」ということも、きわめて短いですが、順序を記憶していないとできません。そして、実はこのことがその後の「記憶力」の飛躍的な伸長につながっていきます。

 

基本的にはこの二つの能力が発達することによって「模倣」ができるようになると考えられます。

 

「ふり遊び」をお母さん、お父さんも是非楽しんでくださいね。