
選挙ポスター研究のバイブル
選挙コンサルタントの八田晋呉です。
まず結論から言えば、
本書のはしがきにある通り、
選挙ポスターを学術的に検証した1冊として、
この書を超えるものは今後出てこないであろう。
この500ページからなる書籍は、
蒲島郁夫氏が東大法学部の教授時代に、
ゼミ生とともに作り上げた渾身の研究書である。
本書は、
2000年の総選挙に立候補した、
685名の候補者のポスターを収集し、
そこから77件の変数を抽出、
それを様々な観点から分析したものである。
私が特に興味深く接し、
実際の選挙ポスター制作の際に、
参考にさせて頂いたのは、
以下の項目についてである。
●選挙ポスターの構成要素 デザイン
ポスターのレイアウトパターン、
構成要素の使用割合、色彩心理学から、
黒色系のポスター、ロゴマークはどうなのか
●選挙ポスターの構成要素 写真
写り方、顔の位置、全身を写したポスター、
手の写っているポスター、ファッションチェック、
小道具を使ったイメージ戦略、議員バッジの有無、
共産党は眼鏡がお好き?
●選挙ポスターの構成要素 文字情報
苗字の位置と大きさ、名前は縦書きか横書きか、
姓名の表記方法、候補者名の書体、
政党名の表記の仕方、経歴をアピールする候補者、
スローガンに置かれたウェィトを見る、
スローガンのなかの未来志向、
地元志向に見る候補者の建前と本音他
●候補者属性と選挙ポスター
老兵たちの肖像、若者たちの肖像、
年齢表記に見られる候補者の選挙戦略、
世襲候補のポスター、無所属候補のポスター、
派手なポスター、迷スローガン・迷デザイン他
●各政党の戦術とポスター分析のまとめ
自民党、民主党、公明党、共産党、
社民党、自由党、保守党
●資料編
選挙ポスターの作られ方、
ポスターに関するデータ
●選挙ポスター集
685名の選挙ポスターのカラー刷り写真
1万円(税別)という価格設定なので、
購入しようなどとおいそれと考える方は、
私のようにこの業界に属し専門的な対場に
居る者を除けば稀とは思うが、
大きな書店には置いてある場合があるので、
立ち寄った際にお手に取られてみてはいかがかと。
※東京駅八重洲口の八重洲ブックセンター等
そしてこの本の発刊の6年後に、
先の蒲島郁夫教授は、
見事熊本県知事に当選を果たされたことを、
最後に付け加えておきます。