金子みすず、啄木、宮澤賢治、ともに生前には、ごく一部の人に認められていただけで、一般には全く無名であった。
童話集、注文の多い料理店、の売れ行きも、さっぱりだった。
賢治は広告チラシの文案をもつくり、販売につとめたという。
それが、次の文面。
「童話中の童話、吾等の誇○心悪い程面白い、そして麗しい。○他の追従を許さぬ、美しさを以て。読む人々の心を完全に惹きつけねばおかぬ真面目さと、強い自信とを以て生まれ出たのがこの童話です。決してあなたのプライドを傷つけるものでは御座いません。吃度御気に召すものと確信を以て御勧め致します。」
必死さが伝わってくるような文章。
今では、すばらしい評価を得ているものも、生きているときの評価は、ちがっていた。
勇気を以て、前進あるのみ。
どんな人にも、谷はある。