1ヵ月ほど前、日経MJにこんな記事が掲載されていました。
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そごう・西武Sサイズ服強化
そごう・西武は婦人服で小柄なシニア向けに「Sサイズ」の売り場を増やす。
2013年までにはほぼ全店の22店で売り場を増設する。
Sサイズの売り上げを13年度に11年度比2.5倍に伸ばす。
身長150cmでウエストなどが異なる3~7号サイズを扱う。
独自企画や輸入品などブランド数は現在の3倍超の32になる。
※日経MJ 2012年8月24日付より抜粋
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売り場強化の判断には、
「カタログ通販、ネットショップに流れているニーズをつかむ」
ということもあるようで。
Sサイズ服は、この先も購入者が増える、と踏んでいるわけですね。
ブランドのバリエーションも広がっているようですから、アフィリでも期待できる商材といえそうですね。
それで、以前に読んだ“お店のキャッチフレーズ”に関連した本で、思い出した内容があります。
駅ビルのテナントとして出店している、とあるSサイズ服専門店の話。
専門店でありながら、目につきやすく並べられた新しいデザインの洋服に誘われて、大柄な女性客が来店することもしばしば。
“Sサイズ服の専門店”というアピールに欠けていたんですね。
そこで、置き看板として大型ボードを設置して、分かりやすいキャッチコピーでアピールすることを考えました。
・Sサイズ服の専門店であること
・バリエーションがたくさんあること
をポイントに、プロのライターが考えたキャッチコピー案が、コレ。
「小さな服でもこんなにおしゃれな服があったんだ!」
「今まで見つからなかったサイズの服、必ず見つかります!」
「カジュアルから礼服まで、Sサイズの服を多数品揃え!」
ところが、現場スタッフからの意見で、これがボツに(あら、ま^^)。
日頃からお客さんと接しているスタッフには、「表現している言葉が普通すぎ」て、魅力に欠けていたわけです。
そんなスタッフの意見をもとに、決定したキャッチコピーは、
「着てみてビックリ!身長が3センチ高く見えるお洋服」
スタッフによると、来店する小柄な女性は
「身長を1センチでも高く見せたい」
という願望があるのだとか。
実際、少しでもサイズの合わない大きな洋服は、余計に身長が低く見られたり、だらしない印象を与えるもの。
サイズがピッタリの洋服はスタイル良く見えて、身長も実際より高く感じられるようです。
スタッフが考えたことは、
「お客さんは何の目的で商品を買いに来るのか?」
「商品を買うことで、お客さんは何に一番喜んでくれるのか?」
ということでした…。
人は何か商品を購入するとき、同時に与えられる“得”を求めているんですよね。
その人にとって、何らかの悩みが解消されるものである、ということです。
もっとも、悩みといっても、頭を抱えてしまうようなネガティブなものばかりではなく、
“もっと楽しくなるものはないか”
“もっと満足できるものはないか”
というような、ある種贅沢な悩みもあるわけですが。
Sサイズ服専門店での話は、決定したキャッチフレーズが売上の向上につながったことは間違いありません。
キャッチフレーズを変えただけで、「売上が○倍増えた!」とよく言われます。
こういう、購入者意識の心理を突くような言葉は、見た人がまさに心をワシ掴みにされてしまうわけです。
あなたのサイトから購入する理由が、ここにあります。
でもまぁ、ぶっちゃけ、そう簡単なことではありませんよ。
でも、自分には無理、とハナから諦めるのではなく、「なぜこの商品を買うのか」と意識することが大事。
そうすると、脳がアンテナ張って、勝手に情報収集に働いてくれます。
そして何かの拍子に、ハッと思いついたりするものです。
「本当の欲しいのは商品にあらず」
いつも頭の中に入れておきましょう。
*参照:「売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方」
竹内謙礼・著 日経ビジネス人文庫