日経コンピュータ2018.04.26 | HATのブログ

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IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

特集は<マイクロソフトの変身術 10年間で増収4兆円、しぶとく勝ち続ける理由>です。多少の興味はありますがマイクロソフトの宣伝という内容でもなく、何を伝えたかったのかがわかりにくい特集でした。

<Windows10移行が本番 古い業務アプリの動作検証が鍵>(P.06)
国内法人の調査でWindows10の2017年下期の比率はまだ29.5%だそうです。70%は7を使っているという事なのでしょうね。IEでしか動かない業務アプリは一気に更新するチャンスだと考えて動かれた方が良いでしょう。
7は2020年1月14日にサポートが切れますのであと2年です。とは言え10の最初のバージョン(1607)は2018年4月でサポートが切れますから7端末よりバタバタしているのでしょう。全部がWEBシステムになればMACに変更した方が運用コストが下がるというデータもあります。

<5000億円デジタル化の第一弾 イオンが出資する新興の正体>(P.10)
イオンが米国ベンチャーのBoxedに出社すると発表しました。Boxedは日用品のECサイトです。米国に4拠点の配送センターを設けて運用しています。台湾二世のチェ・フアンCEOのインタビューでは物流システムを最重要視しているようです。
ウォールマートはベンチャーを買収してデジタル化していますが、イオンが単に出資でデジタルトランスフォーム出来るのか疑問です。

<乱反射:WindowsとOfficeの会社ではない ナデラCEOが開発部門を再編>(P.17)
2018年3月29日、ナデラCEOは部門再編の電子メールを全社員に出し、即日実施しました。ナデラ氏がCEOになって最大の組織再編と言われています。
     旧部門                      新部門
 Windows and Devices  →Office+Device→ Experiences & Devices
 Office                      部門長:ラジェッシュ・ジャ氏

 Cloud and Enterprise  →Windows+Cloud→Cloud + AI Platform
 AI + Research                部門長:スコット・ガスリー氏

OfficeとDeviceを一つの部門とすることでOfficeに最適化したデバイスなどを開発しやすくなるでしょう。AzureとWindowsを一つの部門とする事はWindowsのビジネスが縮小していくということでしょう。

<2weeks from日経XTECH 4月3日(火)~13日(金)>(P.18)
3日:熊本市がMicrosoft 365を職員1万2500人に導入へ
 →調べると相当数の自治体が導入していました
5日:JALが2日連続でシステム不具合、航空券の購入などできず
 →これですね。前号のJAL特集があるので詳細期待
6日:プレミアム・アウトレットから43万人の顧客情報が流出か
 →またもパスワードを平文でも持っていた?やめてほしい
12日:NTTドコモ、国内初のマンホール型基地局を発売
 →を見ると70cmほど埋めるらしい

<マイクロソフトの変身術 10年間で増収4兆円、しぶとく勝ち続ける理由>(P.24)
スティーブ・バルマー全CEOがクラウドシフトを明確にし、ナデラCEOが2014年に就任してから時価総額が2倍に増えました。
1.クラウドサービスを売る組織に変貌
営業スタイルも変わっています。
・コンサンプション(消費量)重視。目先の売上でなく利用量を増やすことを最優先しています
・社内会議は月曜日だけ。上司が部下を拘束できるのは3時間まで

・会議向けにゼロから資料を作るのは禁止し顧客のために時間を使う
・顧客に頻繁に通って調整役として利用量を上げる活動をまめに行う
・2017年夏から、営業担当の賞与の5割強を担当顧客のクラウド消費量を基に算出
2017年7月に「カスタマー・サクセス・ユニット(CSU)」を新設し既存顧客の利用率向上に専任するチーム。全世界で数千人が所属
2.AI部門8000人
AI専門組織としては世界最大規模。「AIの民主化」を目標としています。つまり誰もがAIを利用できるように研究しています。
3.量子コンピュータを5年以内に実用化
5年以内に実用的な性能を持つ量子コンピュータを実現する目標で研究しています
4.敵はAWSではない
企業向けクラウドの売上高ではAWSを上回る規模になりましたが、大半がOffice365です。Azureはまだまだです。国内の認定パートナーもAWSの540社にたいして130社。AWSやGoogleとも手を組む全方位外交は顧客企業がライバルへ乗り換えるリスクと表裏一体です。積極的なR&Dなどを通じて自社の製品やサービスの魅力を高め続けることが欠かせません。

SAPが旧ERPのサポートを2025年で打ち切るため米国の顧客が続々とマイクロソフトのDYNAMICSに乗り換えているという噂を聞きました。AWSもGoogleもERPは持っていません。Oracleがぼやぼやしている間に一気に差が広がる可能性もあります。

<8連勝を支える分析力 ITで変わるプロ野球>(P.50)
福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズ。IT企業が冠をかぶっている2球団がITの力を借りて連勝しているという記事です。でも現時点でDeNAは広島に次いで2位ですしソフトバンクは3位です。ITがどこまで貢献しているのかは疑問です。

 

ソフトバンク:ボールの軌道測定システム「トラックマン」4台を稼働。投手ごとに手を離れる瞬間のボールの高さや角度、ホームベースを通過する時の高さ、方向の変化量、回転数といった項目がすべて測定出来ます。選手にはiPadやiPhoneを配り2015年以来400試合分のそれらのデータを確認出来ます。データ分析の専門家が10人います。選手が必要とするデータをタイムリーに提供します。

 

DeNA:主に使うシステムはMINATO(ミナト)CANVAS(キャンバス)です。
MINATO:選手や試合に関する様々なデータを蓄積する基幹データベース。試合だけでなくトレーニング内容や健康状態まで幅広く入力してあります。
CANVAS:実践の詳細データを記録・分析するシステム。12球団の選手データを記録し、投手と打者の相性を分析して打順の組み立てや交代選手の選択に役立てます。
2016年にラミレス氏が監督に就いてから、2016年は3位、2017年には首位となりました。その躍進の原動力はラミレス氏のマネジメント手法とそれを支えるデータの存在でした。

<数字は嘘をつかない 下位脱却、原動力はデータ活用に>(P.54)
監督として重要なのは、プラン・ルーティン・戦略です。毎日最低でも1時間、文書にして10ページ分以上はデータを確認しています。データはものすごく細かい数字まで覚えています。相手チームも含めてトップ10の選手については一人5~6この数字を打率なら下一桁まで覚えています。
2000年に来日した現役時代はデータをまったく信じていませんでした。ところがそれは間違いとわかりました。特に彼は外国人でしたから、まずは日本人より良い成績を出さなくてはいけない。そのために分析は不可欠だと気付いたそうです。

私は江川事件以来日本のプロ野球は観ない事にしてますので知らなかったのですがwikiで調べると波乱万丈の人生を歩んできた監督ですね。頑張って欲しいです。

<日本IT事件史1995年 Windows95発売 インターネット時代へ>(P.88)
前号の1982年からいきなり13年もジャンプしました。1995年といえば1月に阪神大震災、3月に地下鉄サリン事件、6月には全日空857便ハイジャック事件という大きな事件が続発している中、8月にWindows95が発売されました。
それまでのWindows3.1でLAN(TCP/IP)を使うためには別のソフトが必要だったのですが、標準で使えてファイル共有すら出来るようになりました。そこからクライアントサーバ(C/S)システムが全盛になっていきます。
個人的にはこの年に或るお客様にUNIX+Windows3.1という構成のC/Sパッケージを導入したのですが、クライアントプログラムがWindows95では動かなかったため運用に苦労した覚えがありました。この経験から、クライアントマシンを問わないブラウザのみ構成を出来る限り提案することにしました。

<インターネット同時配信(Simulcast over IP)>(P.96)
放送中のテレビ番組を、インターネットで同時に流すことをこう呼ぶそうです。
海外では英国など多くの国や地域が実現しています。日本では2020年の東京五輪に向けてNHKがサービス提供を模索しているそうです。これを実現するためにはCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)と呼ぶ、大量のキャッシュを設置する必要があります。

他の民放局は採算が取れないからと尻込みしている中、NHKだけが膨大な資金量を背景に基盤を構築するという構造は避けてほしいと思います。

<社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第109回>(P.118)
今回も手島歩三氏の「統合工程部品表」の話です。企業がコンサルタントに相談してERP(統合基幹業務システム)パッケージをいれたとたん在庫が増え現場が大混乱したという事例は枚挙にいとまがありません。統合工程部品表は「ものづくりマネジメントと情報技術 (静岡学術出版教養ブックス) 」などで解説されているそうです。

 

部品構成+工程+設備+作業者を統合して扱えます。

本来ERPを検討する前に、自社の生産現場と業務を見つめなおして統合工程部品表などを使ってデータ構造を検討し設計する事が必要です。その後自社業務に合ったERP(業務パッケージ)を選定します。いまのコンサルタントは自分の得意ないくつかのERPパッケージを候補にし、要件と合う点、合わない点を調べて合いそうなパッケージを選定します。合わない部分はカスタマイズします。これでは上手く行きません。

<第51回IT勉強宴会>で「あなたの知らない上流工程の楽しみ方」を説明して下さった三輪一郎氏は同じ話をされました。<業務全体のエンタープライズ概念データモデルを作成し、評価対象であるERPのデータモデルと対比することでパッケージのFit&Gap分析を行った>
このデータモデルについてユーザシステム部だけでなくほとんどのSIerすら知らない事が大変な問題だという事がこのコラムの趣旨なのでしょう。

以上