日経コンピュータ2017.07.06 | HATのブログ

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IT関係のニュースを中心に記事を掲載します。日経コンピュータで重要だと感じた記事とコメントを2010年9月1日号から書いています。
このブログは個人的なものです。ここで述べていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の雇用者には一切の関係はありません。

特集は<X-TECH宅配ピンチ 脱出のカギは三つのIT活用に>です。タイムリーな話題ですが日本のベンチャーメインの話でしたので少しこじんまりまとまっていました。この延長線上に解がある臭いがしませんでした。

【動かないコンピュータ WannaCry,日本に再襲来】(P.06)
巻頭記事がまたもや動かないコンピュータ、WannaCryでした。今度はWannaCryの亜種が工場やPOSレジを止めたという話題です。
・日本マクドナルド 6/16-6/21 ほぼ全店WAON等使用不可
・ホンダ 6/18-6/20 世界複数拠点の工場の生産ライン停止
・ウエルシア薬局 6/16-6/21 少なくとも3店舗のPOSでポイント使用不可

根本的対策はWindowsを辞めるしかないでしょう。

【グーグル、G Suiteで日本MSに挑戦状 売りは働き方改革、AIでメール返信も】(P.09)
グループウエアとしてMSのOffice365が広がっているとは感じていましたが、目を疑うような大差がついているそうです。

  日本MS(Office365):71% グーグル(G Suite):15%
グーグルはAI機能で巻き返しを図っているという記事です。

この数字本当なのでしょうか?世界のシェアも知りたいです。


【人工知能のClovaで友達拡大 LINEのポストスマホ戦略が明らかに】(P.11)
LINEが、トヨタ自動車、ファミリーマートを巻き込んでAIスピーカーを発売するという記事です。もちろんAmazonのAIスピーカーEchoを後追いしているのです。
AmazonEchoは2014.11に発表され衝撃が走りました。2015.6に一般発売。2016.9にはAmazon FireTVにも搭載されました。「一度使えばスマホに戻れない」と言われています。2年半遅れとはいえ韓国企業が後を追おうとしている時に日本企業はどうするのでしょう。

【CIOの眼:郵便版のEAを作る 全社巻き込み丸投げ脱却】(P.20)
日本郵便CIOの鈴木義伯氏です。NTTデータから東京証券取引所のCIOになり2017年4月に日本郵便に入社されました。従業員20万人の企業がIT部員はわずか170名。外注丸投げ体質でベンダーコントロールすら出来ていない。整理するために日本郵便版のEA(エンタープライズアーキテクチュア)を作っているそうです。
言っては悪いですがEAで整理するという発想は20年前の発想だと感じます。多分EAというよりはシステム棚卸なのでしょう。IT部員を最低でも10倍に増やすことが先決だろうと思います。

【X-TECH宅配ピンチ 脱出のカギは三つのIT活用に】(P.22)
物流業界に広がる3重苦にたいしてITを活用することで挑んでいるという特集
1. 過剰サービス:配達現場が悲鳴を上げるほど便利さを突き詰めた
→ロボネコヤマトを試験実施。スマホから指定し道路上で受け取る
 ソフトバンクイノベンチャーが、早朝・深夜専門に宅配
 自ら歩道を歩く宅配ボックス「CarriRo Delivery」
 ボルボ車はトランクが宅配ボックスになる
2. 人手不足:過酷な労働環境ゆえに人手を集められない
 →荷主企業とトラックのマッチングサービス「ハコベル」
3.非効率な業務プロセス:荷物の質と量の変化に対応できない
→クラウドWMSで注文・出荷指示・配送指示を統一DB化
 ベンシャーのDoog社はロボット台車が自動走行
 佐川急便とNTTデータはAIを使って倉庫内荷物をAIで分析

 

どれもまだまだだと感じました。最後のAIは「97.5%の精度で荷物の外観を判断出来るようになった」そうですが、100%でなくても使うのでしょうか?唯一実用的なのはスウェーデンのボルボ車です。ワンタイムパスワードでトランクを開ける機能を付けて宅配業者は荷物をトランクに入れるそうです。

【X-TECH日本列島AI改造論】(P.38)
こちらは土木建築で実際に使われているAI事例ですので大変具体的です。深層学習を含む機械学習を使ってベテランのノウハウを学んでいます。
1.地面を踏み固める振動ローラー
2.トンネルを掘り進むシールド機
3.下水道管の点検
政府の目玉施策として進めているということで、石井啓一国土交通大臣が登場されていますが、はっきり言って役不足でしょう。

【ITは苦しんででも自社開発 自動運転の普及はチャンスだ】(P.46)
パーク24の西川光一社長です。<IT部員は140~150名ほど><営業部門の次に多い陣容>だそうです。従業員数を調べると300名、連結3400人なので連結のIT要員数でしょうか?

 

それはともかく、ソフトだけでなくハードも自作する会社だという事は有名です。そのポリシーが素晴らしい。<新技術にすぐに飛び付くことはしません><一過性で終わる技術をつかまされないように注意しています>
セールスフォースの創業者の1人で全製品戦略を統括しているパーカーハリスも同じことを言ってました。個人向けサービスは目新しさだけでヒットして広がりますがエンタープライズなら最低10年は使える技術かどうかの「目利き」が大切だそうです。SF利用者は目利きをSFに任せているのですがパーク24はご自分でされているのでしょう。

 

人工知能(AI)には<興味はありますが、まだ懐疑的>。自分たちで持っているデータだけでは分析しても面白くないから、データを公開するように国を含め各方面に呼びかけているそうです。もう今やベンチャーでなく、車関連のサービスのリーダーとして発言されているように感じました。日本ではどうしてもメーカーが強いのですが、もっと頑張って欲しいと思います。

【ケーススタディ技術:高速バスの重大事故ゼロに 耳たぶのセンサーで眠気を検知】(P.52)
WILLER EXPRESS JAPANです。2006年運行ですのでまだ10年ほどですが高速バスの中でも存在感は大きいです。昨年2016年1月に軽井沢で発生したスキーバス転落事故をきっかけに対策を検討し、3月に実証実験、11月までに全車両(200台)導入しました。
・社内外を映すための5台のカメラ
・バスの速度やエンジン回転数などのデジタルタコグラフ
・運転士の耳に取り付けた脈波センサー「FEELythm」
これらがリアルタイムに名古屋の「安全推進室」に集まり、運転者に指示が出せます。人の問題だけではなく経験的に危険だと言われていた場所がデータで分かるようになりルートや休憩場所を調整出来るようになりました。安全安心に直接かかわる事ですのでWILLERの印象はさらによくなりました。これだけの投資を一気に出来る機動力が素晴らしいと思います。

【現地投資家が生報告 シリコンバレーVR通信 第1回】(P.100)
VR(バーチャルリアリティ)についてどれほどご存じでしょうか?2012年8月に米ITベンチャーのオキュラスVRがクラウドファウンディングで目標2750万円で開始し、2.6億円も集めて話題になりました。2014年、オキュラスは米フェースブックに買収されましたが開発を続けて2016年3月に一般発売されました。
<日本市場は米国に比べて今ひとつ盛り上がりに欠ける><PCゲーム市場の規模が米国に比べて小さい>ためだそうです。まだほとんどがゲーム用途ですので興味のない方がほとんどだと思いますが個人的に日本と米国の差を知ることが出来ると期待しています。

【社長の疑問に答える IT専門家の対話術 第88回】(P.122)
今回は、プロジェクトチャーターについてです。チャーター(charter)は「権利の付与を示す文書」の意味だそうですがわかり易い訳語がありません。船舶をチャーターする時に、何の目的でどの期間使うのかを記載した文書がチャーターです。

 

PMPではプロジェクト憲章と訳しますが、確かにわかりにくい。プロジェクトチャーターに記載する内容例(一部だけを転機しました)
ゴール:目的(共感を得られるもの)、目標(計測できるもの)
概要 :成果物と納期、日程とマイルストーン、組織体制
条件 :制約、リスク
承認 :プロジェクトマネージャ名、スポンサーの署名

個人的にはIT屋の立場として、プロジェクトキックオフの資料にチャーターの内容を一部含んでプロジェクトオーナーに合意してもらってからスタートするようにしています。上記以外にプロジェクトを進めるうえで今後検討が必要な課題とかジャッジが必要な事とかをプロジェクト全体が俯瞰出来るように先出しして議論します。これを行うとキックオフが一方通行にならずに当事者意識を持ってもらう事が出来ます。ただ発散した議論になると最悪ですのでそのさじ加減は難しいです。

以上