なぜか皮膚科の医師から何度も聞いていた

 

夫婦間の長引く問題で鬱になった方が

別の病気でMRI撮った時に

「脳が委縮している」と言われ

衝撃だった、、と。

そりゃそうです…怖いですし他人事じゃない。

 

年代別 医学的に正しい生き方 未来予想図 和田秀樹著

 

実はこうした「きれいな」脳の状態を、特に努力もせずに維持できるのは30代が限界です。

 

後述するように

萎縮の進行度合いにはかなりの個人差はあるものの、

早ければ40歳を過ぎた頃から頭蓋骨と脳のあいだにちょっとずつ隙間ができはじめ、

その隙間は年をとればとるほど大きくなっていくものなのです。
 

前頭葉の萎縮が肉眼で確認できるほど進むと、

30代までのその人とくらべて、意欲とか創造性といった能力が明らかに乏しくなってきます。
 

そして50代や60代に入り、さらに本格的に前頭葉機能が落ちてくると、

今度は感情を抑制する力も衰えてきますから、

人によっては些細なことでカッとなって部下や家族を罵倒してしまうことが増えるでしょう。

 

 

脳の萎縮は「なんとなく定年の60歳くらいかな?」と想像していたらまさかの40代! 早い!

でも安心してください。

この本はきちんと対策が書かれているのです。

前頭葉を鍛えるための手っ取り早い方法としては、日常生活におけるルーティーンをなるべく避けることがまず挙げられます。

 

本書で「軽い保続」と表現される「今までのやり方を変えたがらない」

「同じ店でしか食事をしない」、「初めて行く場所が億劫」などの症状、すでにあります。

 

慣れた場所で慣れたことをやるのが楽で、ついそうして過ごしてしまう。

でもこれからはいつもと違う道を歩いてみよう、違う街・違う店に行ってみようと決意!

 

【アルツハイマー病への誤解】

年代を少し飛ばして70代の話。

70代後半になると8~10%の人が認知症になるそうです。

そのうち6割以上がアルツハイマー型認知症とのこと。

過去に何度か老人福祉施設を見学したことがありますが、

そこで見た虚ろな目のご老人の姿ばかりが目に焼き付いて、

アルツハイマーにかかったら、記憶障害はもちろん、知性も理性も感情もなにもかも失われてしまうのかと恐ろしいイメージしかありませんでした。
 

でも本書を読んでイメージが一転しました!

こうした(アルツハイマーになったら基本的には知能が失われるという)意見に対して

私が何度でも強調しておきたいのは、アルツハイマー型認知症においては一般的にまず記憶力が低下し、

その後に知能が少しずつ低下してくるのは事実であるものの、

実はアルツハイマーがかなりの程度進行した人でも、依然として多くの残存機能を有している、ということです。

 

そして同じ脳の萎縮の程度があっても、明晰さを保てる人はやはり頭を使っているとのことです。

問題はどうやって「頭を使う」かですが、私の経験上、もっとも効果が高いと感じられるのはやはり人との会話です。他人とのお喋りでは、自分の話したことに対して相手からの反応が返ってきますし、強制的に頭を働かさなくてはいけない局面を増やせるのでしょう。
さらに、声を出すという行為それ自体にもポジティブな効能があるようです。

対策をしておけば老いたとき後悔しない!

 

本書はほかにも、
50代では鬱病のリスク増大に気をつけろ
60代では介護離職は危険

80代では「できないこと」ではなく、「できること」に注目する
などの傾向と対策を細やかに示してくれています。