秘境駅」とは「鉄道駅のうち山奥や原野といった人里離れた場所(秘境)にあり、列車の停車本数が少なく、自動車や徒歩でのアクセスも難しい駅」のこと。(Wikipediaより)
 
北海道の宗谷本線には、そのような秘境駅が数多くあることで知られていますが、今回それらを巡ってきましたので、ご紹介していきます。
 

南幌延駅

やってきたのは幌延町にある南幌延(みなみほろのべ)
幌延町には秘境駅が多く、秘境駅で町おこしをしようと画策しています😎
 

 
ホームは板張りの1面1線。
それに駅名標とミラーがあるだけのシンプルな駅で、知らないと通り過ぎてしまいそうです。
ホームの裏手には、たまに車が通る道道があるので、さほど秘境という感じがしませんが、駅自体の造りは秘境駅そのものです🙌
 
駅名標の横には道路用でよく見かけるタイプの照明器具もあって、夜でも安心です。
(道路に取り付ける予定だったものを、1本転用したのでしょうか。)
 
 
駅周辺は牧場があるのみ。
こんな風景が秘境駅らしいです。
 
 
では、ホームに上がってみましょう!

傾いた駅名標がシンボル?

ホームから旭川方を望みます。
この駅名標、なぜか大きく傾いて建っています。
支柱も錆び付き、色も褪せていて、いい味を出しています👍️
 
 
隣駅の表示が新しいように感じますが、実は2021年3月まで、両隣の駅は安牛(やすうし)上幌延(かみほろのべ)でした。
それが、両駅とも廃止になってしまったため、雄信内(おのっぷない)幌延(ほろのべ)に変わったというわけです😢
 
 
駅の廃止については、かねてから議論されていましたが、JR北海道の経営環境の悪化もあって、2021年ごろからはだいぶ加速してきた感じです。
 
この南幌延駅自体も、廃止の議論は何度もありました。
2021年春からは、南幌延駅の維持管理を、JR北海道から幌延町に移行することで、廃止を免れたという、首の皮一枚状態なのです。
 
ホームから、稚内方を望みます。
こちらの角度から見ると、駅名標が傾いているのがよくわかります。
 
 
周囲に人の気配がない駅で、ひとりで妄想に浸れるのは贅沢な時間です🤗
 

待合室もあります

そして、踏切の横にある赤い屋根の小屋があります。
こちらは保線のための施設ではなく、南幌延駅の「待合室」なのです。
 
 
「待合室」と書いてなければ、絶対に立ち入りことはないと思います😁
 
ドアの横には、南幌延駅のゆるキャラ「ミナミほろりんさん」のイラストがあります。
 
 
さっそくドアを開けて、中に入ってみましょう。
ドアを開けるまで中の様子がわからないので、中にクマがいるかもしれません🐻
 
ドキドキしながら、ドアを開けると誰もいない待合室がありました。
(クマがいなくて良かったです😅)
 
「祝 還暦」の装飾は、2019年の開業60周年の際に使われたもの。
この時に、こちらの待合室も現在の姿にリニューアルされました。
 
 
片隅には、除雪道具があって、厳しい冬の光景が目に浮かびます。
ここにも、ミナミほろりんさんのイラストがありますが、よく見るとイラストの駅名標も傾いています。
傾いた駅名標が南幌延駅の個性なのですね。
 
 
時刻表によれば、この駅に停車する列車は1日3往復。
列車で降り立つには、慎重にプランニングする必要がありそうです。
 
右上には「クマ出没注意⚠️」の案内が。
本当に注意しないといけなそうなのが、恐ろしいです。
 
 
周辺の駅が廃止されたことで、きっぷ運賃表にも訂正のシールが貼られてしまいました。
 
青春18きっぷのシーズンに入りました。
混雑とは程遠い、北海道の秘境駅めぐりはいかがでしょうか?
 
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