■BRTとは?
気仙沼線大船渡線は、2011年の東日本大震災の被災を受けたため、一部区間がバス高速輸送システム「BRT」(Bus Rapid Transport)として運行されています。
 
もともと線路だった場所をバスが走れるように舗装した専用道路とし、一般道のように信号や渋滞に悩まされることなく定時運行が確保されるのが売りです。
BRTとは呼ばれていませんが、JRバス関東白棚線(白河~磐城棚倉間)や、愛知県の「ゆとりーとライン」も専用道路を走るバスですね。
 
やってきたのは、宮城県の柳津(やないづ)
前谷地方面から続いている線路はここで終点となり、その先に続いている道路(元線路)に、BRTが走ります。
 
 
BRTの乗り場はこんな感じです。
バス停そのものですが、道路との段差がわずかなので、鉄道よりも乗り降りしやすいのがいいですね😀
 
 
■車両
車両は変哲もない路線バス(日野ブルーリボンシティ ハイブリッド)です。
車両ごとにキャラクターがラッピングされており、ヘッドマークもついています。
 
 
出発5分前くらいになり、気仙沼行きのBRTが入ってきました。
 
 
側面の行先表示器も普通の路線バスのものです🚌
 
 
バスをよく見ると、JRバス東北ではなく、JR東日本が運行になっています。
 
この路線(気仙沼線BRT、大船渡線BRT)は、鉄道の一部と考えられていて、「青春18きっぷ」で乗車することができるのです。
※横川~軽井沢間などのJRバス〇〇が運行する路線は、「青春18きっぷ」では乗れません。
 
(↑非常口の下の部分に「JR東日本」と記載されています)
 
それでは、宮城県のPRキャラクターのむすび丸のラッピング車両に乗り込みます。
 
 
■出発進行!
柳津駅を出ると早速、元線路跡を軽快なスピードで走行していきます。
トンネルは鉄道時代のままですが、バス1台が通れるサイズなのですね🤔
 
 
しばらく進むと南三陸町の総合結婚式場「高野会館」が見えてきました。
震災で津波に飲み込まれ、現在では震災伝承施設として残されている建物です。
 
建物3階と4階の間にある青い看板のところまで津波が来たとのことで、その恐ろしさを感じることができます😫
 
 
南三陸町の志津川地区では、BRTは専用道路から降りて、市街地を走ります。
町役場や病院などを巡って、ふたたび専用道路に入ります。
 
この後、下の写真に見える築堤の上を走っていきます。
 
 
しばらく行くと、巨大な堤防が見えてきました。
堤防の手前には、松の木が植樹されており、再生のシンボルになっています。
 
 
BRTは基本的に単線なので、途中の待避所ですれ違うように計算されています。
JR東日本が運営するだけあって、列車並みに秒単位で正確な運行時刻です😆
 
 
■バス停
よくあるBRTのバス停(駅)はこんな作りです(写真: 陸前横山駅)。
 
 
前谷地~本吉間は日中でも60分おき、本吉~気仙沼間は同じく30分おきに運行されていて、列車より便利になったことは間違いなさそうです。
 
大谷海岸(おおやかいがん)は、もともとは海岸沿いの傍線ホームの駅でしたが、2021年3月に「道の駅大谷海岸」のグランドオープンに合わせ、こんなに立派な駅舎になりました。
道の駅にJRの駅があるなんて、不思議な感じです🤔
 
 
大谷海岸駅の付近は、ところどころ専用道路の工事が進んでいて、今後ルートの変更があるかもしれません。
 
 
沿線の景色は、真新しい建物が並ぶ地区、土木工事で地盤を作っている地区と、まちまちでした。
 
東日本大震災から10年の節目を迎え、青春18きっぷBRTに乗りながら沿線風景を眺めて、地震や津波に関しての記憶を思い出すのも、価値があるかもしれませんね🤔