竜人について
物語の舞台がトーラム界域に移り、しばらく経った頃に竜人という種族に出会う。
トーラムで再会を果たした水の神ヴァサリア様から、ユマーノ族と異なる人影を見たという話を聞き、その正体を追ってウルカニ山の地下で初めて遭遇するのがこの竜人だ。
竜人という名前だが、それまでの物語で見かけた竜のような翼や角は有しておらず、二足で立つトカゲのような姿をしている。
ユマーノ族やディール族のように外見に人間を思わせる部分がないので、見てくれから抱く印象はどうしてもモンスターのソレである。
▲トーラムで出会う竜人の姿。どの竜人も似たような見た目をしており、特に冒険者はこの竜人を雑貨屋と間違えて声をかけることが多いだろう。
彼らはその野蛮チックな見た目に反して巧みに言葉を操るほか、高度な武力と技術力を持っており、ユマーノ族の住む森の動きの制御やコエヌビアの撃退など、トーラム界域の住民の生活を支えている。
冒険者との間においても、風の方舟を改修したり、若い竜人のジアンガが案内人兼戦闘員として旅に同行したりと色々な部分で冒険を手助けしてくれている。
▲冒険者の旅についてきてくれる竜人ジアンガ。冒険者に引けを取らない戦闘能力に加えて、このような強大なゴーレムをこさえる技術も持っている。
竜人はユマーノの森の地下に街を築き生活をしている。しかし、彼らがトーラム界域に居ついたのは大変動の後で、元々は別の場所に住んでいた。
▲竜人の街、ジョカ・ジリ。上空にはユマーノ族の住まう地が広がり、天井のようになっているようだ。
竜人の世界
元々、竜人はイルーナの裏にあるブルードラフという世界に住んでいた。ただ、実際には裏というよりは少し次元がずれたような感じである。イルーナとブルードラフの双方に次元をまたぐほぼ一方通行の危険な穴がぼちぼち空いており、その穴を通じてつながっていたような状態なのだ。
▲イルーナの地に空いた竜人の世界とつながる大穴。ブルードラフの冒険はこの穴に身を投げるところから始まる。
ブルードラフの成り立ちはイルーナと異なり、創造には神ではなく竜が関わっている。そのためブルードラフの竜人が神のように崇めるのは竜、特に王竜であった。
また竜がブルードラフを創ったという点について、厳密には竜が生み出した自然を基礎に、原初の竜人である竜帝が竜人たちを作り上げたという経緯で、故にブルードラフは竜の世界ではなく竜人の世界と呼ばれている。
▲竜の作りしブルードラフの美しい自然の景色の一つ。ブルードラフにはイルーナのような気候の差がなく、行けどもこうした草木の風景が待ち受けている。
▲竜人の主たる街であるドラフブルグ。ドラギストという竜人に加えて何人かの人間が住んでいる。
イルーナの竜人
トーラムの物語にはドラギストという1種類の竜人のみが登場しているが、イルーナ戦記の時代にはドラギストを含め、主だった4つの種族の竜人がブルードラフに暮らしていた。
またトーラムの時代にはイルーナ大陸で竜人を見かけることは全く無いのに対し、かつては件の穴から這い出した竜人や王竜とともに住み着いた竜人など、イルーナにも竜人が生息していた。以下にそれらを紹介する。
●ドラグノフ
カーキ色の体を持つ小柄の竜人で、イルーナ戦記で多くの冒険者が最初に出会う竜人である。イルーナ世界では特に悪さはしていなかったが、数が増えすぎていて討伐の対象になっていた。
▲イルーナ世界で見かけるドラグノフ。冒険者よりも一回り程度小さい。
キュール族のように商才に長けているようで、ブルードラフの冒険では道具や他の竜人に関する知識を駆使して手助けをしてくれるようなことがあった。
またブルードラフでひと悶着あってドラギスタとともにドラギストへの反旗を翻した際には、ドラギスタの暴挙に振り回されがちだった。ドラグノフは何かと苦労の多い種族である。
▲ブルードラフのはずれ、ユーバドラフに住まうドラグノフ。
●ドラクレル
蒼色の体を持つ竜人で、頭部をはじめ体の至るところに王竜と同じ金色の装飾が着いている。
竜人族の神官として信仰対象の竜、特に王竜に関する祭事を担っており、神聖竜人文字という特殊な文字を操ったりとドラクレルにしかできないこともあり、異質かつ重要な位置づけにある竜人である。
▲王竜を祭る街、クレルダンで武具屋を営むドラクレル。
イルーナ世界のドラクレルは王竜の住処に生息し、王竜に会わんと訪れた冒険者を魔法で追い返してしまう。特に王竜の座する手前にやたらと居り、あと少しというところで魔法の嵐に遭って倒れる冒険者がそこそこいる。
▲イルーナ世界にある王竜の住処のドラクレル。彼ら自身も魔法に長け襲われると大変なのだが、さらに強力な個体が紛れていることがあり、そっちに触ると瞬く間に消し炭にされる。
●ドラギスタ
体格のよい黒色の竜人で戦闘を得意とする。
ドラギストと名前が紛らわしく、貴重な道具を持つドラギストと間違えた冒険者がしばしばドラギスタに刃を向ける。
イルーナ世界ではドラクレルと同じく王竜の住処にいるが、ドラクレルのほうがよほど脅威なので冒険者の印象には残りにくい。
▲ドラクレルと同じく王竜の住処に生息するドラギスタ。
血気盛んで、ブルードラフにおいてはドラギストへの反発を主導して竜人族の天敵と手を組んだ。
その過程で、ドラギスタはバケモノに変わってしまったのだが、全部そうなったのかブルードラフには黒色の竜人が見当たらず、代わりに大柄の赤褐色の竜人がいる。
バケモノになった面々に赤色の竜人がいる点を考えると、この赤いのがドラギスタなのだろうか。
▲反乱を起こしたドラギスタの拠点の近くにたたずむ赤褐色の竜人。彼はドラギスタなのだろうか。
▲バケモノになってしまった赤い竜人。彼もドラギスタなのだろうか。
●ドラギスト
トーラムの物語でも名前の出てくる竜人の種族。
緑色の竜人で他の種族のように目立った特徴はないが、竜人の中でも数が多く、多数派として竜人全体の統治に関わっていた。
イルーナの冒険者がブルードラフに迷い込んだ際には、このドラギストの子供がいつもそばにおり、旅の助けをしてくれていた。この頃からドラギストは冒険者の良き友である。
また原初の竜人、竜帝とその血族はドラギストの姿をしている。
▲ドラフブルグに住むドラギスト。イルーナ世界のドラギストより明るい緑色の体をしている。
一方、イルーナ世界に出てきていたドラギストは竜の封印を解いたり物資を奪ったりと色々悪さをしていた。
そしてトーラムの時代に伝わる竜人の伝承は、もっぱらこの悪さを働く竜人についてのものとなっているようだが、ジアンガ曰くそれらは竜人の中でも煙たがられていた者とのことである。
▲イルーナ世界に住むドラギスト。ブルードラフのものより野蛮に見え、トーラム界域にいるドラギストはこっちに似ている。
▲悪しき竜人についてのジアンガの認識。善良なドラギストを知っているのは竜人の世界を旅した冒険者くらいなので、伝承には多くのイルーナの民から見た悪い方だけが残ったのだろう。
トーラムの竜人
トーラムの物語に登場する竜人は今のところドラギストだけである。
他の竜人がどうなったのかは気になるのだが、じつはドラギスト自体もひとつ不思議なところがある。
というのも、グラフィックの差を抜きにしても、ドラギストの姿かたちがイルーナ戦記の時代のソレと違うのだ。長老アトゥの話しぶりからして、少なくとも彼とその血縁にあるジアンガはイルーナ戦記に出てきたドラギストのようだが。
▲ドラギストの長老アトゥ。トーラムで出会う彼は爺さんだが(上)、イルーナ戦記の時代ではキュール族ほどの背丈の愛らしい竜人の子供だった(下)。
まず長老アトゥが緑である以外は、多くのドラギストが青色をしている。なんならピンク色の者もおり、体色が安定していない。
ドラギストの体は緑色であるはずなのだが、生息地や性別で差が出るようになったのだろうか。
▲ジアンガをはじめ多くのドラギストがこの青色である。彼のご先祖はアトゥと同じ緑色のはずだ。
▲ピンク色のドラギストの女性。彼女から生い立ちなどは語られないのでなぜこんな体色かは分からない。
また体色に加えてトーラムのドラギストには尾の先にクジラのようなヒレがついているが、イルーナ世界のドラギスト、あるいは他種族の竜人にもこうしたものは見当たらない。
▲赤丸のところ。かつてのドラギストには見られない、トーラムのドラギストの尾ヒレ。
この謎のヒレは大変動前から生きているアトゥにも見られるが、ブルードラフの老いたドラギスト、ムジエがそうであるように加齢では生じるものではない。
このヒレも体色と同様、トーラム界域に適応するためドラギストが得たものなのだろうか。
▲イルーナ戦記に出てくるドラギストの長老ムジエ。彼の尾にヒレはない。
ちなみに若かりし頃のアトゥは尾にリボンを巻いている。まあ、ヒレに見えなくはないがもしかして…。
▲アトゥの尾のリボン。尾の先より少し手前に巻いている。






















