記念すべき服部克久先生の『音楽畑』シリーズ第1作の第1曲です。《自由の大地》などのように「どぉーん」と始まるわけではありませんが,第22作まで続くことになる同シリーズの幕開けに相応しい楽曲です。(服部先生としてはここまで続くと思っていらっしゃいませんでしたが・・・)しかし,すでに服部先生のエッセンスが多く含まれた室内楽曲的な名曲だと思います。
最初の4小節は「A・E・F・C」を4回ギターで繰り返しますが,コードが分かりません。そして「A・E・F・C」と「G・D・E・B」を繰り返し演奏されますが,1回目はDm7/GとCM7/G,2回目はFM7とEm7と変化をつけています。そしてじゅわ~とヴァイオリンがG線でメロディーを演奏し始めます。ちゃんとメロディーがヴァイオリンの最低音のGに収まり,メロディーがペンタトニック(C・D・E・G・A)で動きながら,ハーモニーはFM7とEm7で残りのFとBも使用されています。この辺がおしゃれですねー。そのメロディーがピアノに移され,4小節間のブリッジを経由してトランペットのソロが始まります。このソロがまた渋くていい感じなんです!この楽曲は数えるほどしか登場するコードが少なく,前述以外ではDとAmしかここまではありません。しかし,最初に戻ったあと,コーダに入り,D→F→A(Asus4)と3度ずつ上昇し頂点を築きます。しかしそれも一時のことで,すぐ元の「A・E・F・C」に戻り(コードはFM7とEm7の繰り返し)最後は静かに終わります。
この楽曲は,ピアノ・ソロ版にも収録されており,しかも服部先生ご自身の編曲です。モーツァルトではありませんが,こういった音数の少ない楽曲を上手に弾くのは結構難しいものです。かつては楽譜も出版されていましたので,《ル・ローヌ(河)》《自由の大地》以外も是非!
