服部克久先生は,CMやTV,映画などのタイアップ曲を数多く作曲されましたが,そのうちの何曲かは『音楽畑』シリーズに収録されていて,この《桜吹雪》も『新極道の妻たち 惚れたら地獄』のエンディング・テーマでした。あまりはっきりとは覚えていませんが,映像と音楽の融合や共存を大切にされる服部先生らしいマッチングだったと思います。
楽曲は短いイントロののち,名手岩田英憲さんによるパンフルートのメロディーが始まります。私はこの跳躍進行するメロディーが大好きで(プレイヤーは大変だと思いますが)特に途中に出てくるC→E→D(実音)という,Cから6度下がってEからの7度上がってDに行くところがいつもグッときますね。その後はずっと順次進行が1コーラス目が終わるまで基本的に続くので,そのメロディー・ラインのコントラストが素晴らしい。そして岩田さんのややレイドバック気味の吹き方が何とも言えない味があります。2コーラス目にはストリングスがオブリガードを担当,いつもながら見事です。(私は服部先生のオブリガードだけで1曲できると思っていますので)そしてピアノが短くメロディーを担当した後,ストリングスにメロディーが移ります。この時は低弦がオブリガードを担当。そしてパンフルートにメロディーが戻り,最後は長くクレッシェンドして終わります。エレキ・ギター(松原正樹さん)のフィル・インやティンパニー(金山功さん)のトレモロなども聴きどころですね。
それにしても服部先生のセンスには脱帽するばかりです。特に満開の桜ではなく,散りゆく桜にスポットを当てた点,「和」を連想する楽曲にドラム(渡嘉敷祐一さん)やエレキ・ギターも使用する点です。最近若い頃(幼い頃)聴いた服部先生の楽曲によく耳を傾けます・・・いや拝聴しています。何しろ当時はまだその素晴らしさに気づいていませんでしたので。
