私が服部克久先生の(特に音楽畑シリーズ)の音楽について絶大の安心感をもって聴くことができるのは,いい意味での音楽的な不変にあると思っています。(そして例外もあるから面白いのですが)それは「服部節」と私が勝手に呼んでいるメロディや「服部サウンド」・・・などいろいろありますが,それはフィーチャーする楽器と転調についてもいえることで,最初はピアノやフィーチャーする管楽器などがメロディを担当し,転調後はストリングスがメロディを担当というスタイルが多いように感じます。
この《シャトレー公園》は,前述のパターンに添いながら,私が大好きな2度転調するため(しかも転調ごとに調号が増えていく私の大好物のパターン!)最初はピアノがFメジャーに転調してサックスが,A♭に転調してストリングスがメロディを担当します。この楽曲は第1作に収録されていますが,サックスがメロディの時のストリングスのオシャレなオブリガードもすでに健在で,ストリングスがメロディの時の管楽器の合いの手もまた然りです。「音楽畑」シリーズはナンバリングされたものは22作まで続きますが,このシリーズを通しての「不変」的な要素と「進化」が何よりも魅力だと思います。
シャトレー公園はフランスの首都パリの公園の名前ですが,そうそう服部先生の音楽の魅力といえば,自由に空間と時間を行き来できることでしょう。そしてそこには必ず服部先生のエッセンスが注入されていて,語弊を恐れずに言えば,いい意味で「本場すぎない」絶妙なセンスとバランスを垣間見ることができます。
