服部克久先生の確立された音楽に「インターナショナル・ポップス」があります。いわゆる民族音楽とは異なり,その国&その地域の人々のみならず,全世界の人々が聴いても「イイ」と思えるポップスのことです。ナンバリングされた「音楽畑」シリーズにもインターナショナル・ポップス・サウンドは多くありますが,まさか馬頭琴を用いた楽曲が登場するとは全く思っていませんでした。と同時に実は,私は馬頭琴を所有しているので(ほとんど弾けませんが!)馬頭琴を使用した《オルドスの泉》は大好きな1曲です。

 楽曲は馬頭琴のソロから始まります。(馬頭琴はリポさん)第2音と第6音を抜いたペンタトニックを中心に楽曲が進んでいきますが,二胡や京胡とは異なる骨太でどこか儚い音色に情景が広がります。その後現れる,古筝と笛子も雰囲気満点ですね。その後ストリングスにメロディーが移りますが,1回目は低音域で2回目は高音域で奏でられた後,転調して引き続きストリングスがメロディーを担当,2回目は馬頭琴がオブリガードで加わります。そして,それまで見えていた風景が見えなくなるかのように,すっと引いて終わります。この楽曲はタイトルからも分かる通り東アジア的な楽曲ですが,RhodesやE.ベースやE.ギター,ラテン・パーカッションも加わり(いずれも名手揃い!)服部先生らしいインターナショナル・ポップス・サウンドになっていると思います。特にパーカッション群はいい仕事をしてます!(リズムの合いの手など最高です)

 毎年,年が明けると我が家の馬頭琴が小学校に貸し出されていきます。そうです!「スーホの白い馬」を小学校の2年生で学習するので,その実物教材となるのです。児童が弓をもって弦を擦ると「ブーン」と音が鳴るので,児童は大喜びするそうです。そういえばこの《オルドスの泉》も「スーホの白い馬」の雰囲気をもっていますよね。