前回のブログでも記載させていただきましたが,私は幸福なことに約30年間に70回,服部克久先生のコンサートに行くことができました。そのコンサートの多くでラストを飾ったのが服部先生お得意の「大メドレー」です。しかも必ずテーマがあってそのテーマに沿って何曲もメドレー形式に仕上げ,演奏時間が10分を超えることもよくありました。(コンサートではありませんが,かつてNHKで放送された「音楽の料理人」のラストも,《聖者の行進》のテーマを用いて世界一周するという趣向でした)
この『東京ポップスオーケストラ/ザ・リクエスト』に収録されている《フックト・オン・クラシックス》もクラシックの名曲12曲のメドレーで演奏時間は約7分30秒です。楽曲はピアノ協奏曲第1番第1楽章(チャイコフスキー)から始まり以降~夜想曲第2番(ショパン)~禿山の一夜(ムソルグスキー)~ドナウ河のさざなみ(イヴァノヴィッチ)~ラプソディ・イン・ブルー(ガ-シュイン)~ピアノ協奏曲第2番第3楽章(ラフマニノフ)~交響曲第9番《新世界より》第2楽章(ドヴォルザーク)~交響曲第40番第1楽章(モーツァルト)~歌劇《ウィリアム・テル》序曲(ロッシーニ)~バレエ《白鳥の湖》情景(チャイコフスキー)~オラトリオ《メサイヤ》ハレルヤ(ヘンデル)~交響曲第9番《合唱》第4楽章より喜びの歌(ベート-ヴェン)という内容です。また選曲に目が行きがちですが,服部先生の転調の妙や東京ポップスオーケストラのテクニックも素晴らしいと思います。
このメドレーの素晴らしいところは実にコンパクトにクラシックの名曲のさらに「いいところだけ」を纏めているところだと思います。しかもメドレー全体のプロセスが起承転結していて流れがきれいです。以前から似たようなことを申し上げていますが,こういう楽曲を聴いて本格的にクラシックに興味をもつ人が多くなると嬉しいです。(もちろんその逆のパターンもいいと思います)
