20代で金持ちのスネ夫と結婚したものの、一人っ子のワガママとマザコン具合に、振り回され疲れ果てて離婚したしずか。
一人で生きる決意をし、夜の世界の女になった。
のび太が、やっと免許を取ったらしい。
ジャイアンが家業を拡げ、スーパー経営を始めたらしい。
金メダリストになった出木杉くんが結婚したらしい。
風の噂を聞き流しながら、幾人もの男達とカラダだけの関係を築く日々は、いつ終わるともなく続いていた。
ドラちゃん、わたしはのび太さんと結婚するんじゃなかったの……?
わたしも気が付けば30代なのよ……。
そんな生ぬるい日々に衝撃が訪れる。
「はじめまして……?!」
左手薬指には指輪。
「あれー会った事ありましたっけ?」
「いや~無いとおもうよ。ココ初めてだしー。」
でも間違いない、のび太さんだ。
初対面としてキスを交わし、赤の他人として貪り合う。
妻も子もあると話す30代半ばの同級生のカラダは温かく、愛撫は優しく、しずかは思いがけずイってしまった。
近くに引っ越してきたばかりなのだそうだ。
「また来るよ♪」
笑顔で去る後ろ姿が憎らしい。
戻った個室の静けさに、胸のざわめきが響き渡る。
何かが……始まる……
夜空は曇り、月が見え隠れしていた。
月明かりを避けて佇む青い影が、店を後にするのび太を見送った。








