君が泣くまで殴るのをやめない

母親から「どうしても会って!」とせがまれ、このたび田舎のとある女性と会ってきた。
しかし親同伴となると面倒くさかったので当人たちだけでの接見。

アヴェンシスに乗り颯爽と迎えにいくと、現れたのは素朴な雰囲気の女性。
年は俺よりも2つ上らしい。

とりあえずドライブ。
山を3つ4つ越え、わりと大きな街へと繰り出す。
この時点で話は弾み、、、という事にはならなかった。
何せ初対面で、会いたいと熱望しているわけでもないのだ。
一体どういう経緯でこうなったのか。
話を聞くうちにどうやら俺の母親がベッカム(ラブラドール3歳)の散歩に出ているなかで、黒いラブラドールを連れて歩く彼女と仲良くなり、一方的に彼女に惚れ込んだようだ。
そこで、半ば無理やり息子と会う約束を取り付けたといういきさつらしい。

なるほど、道理で会話も素っ気無いのか。

話の内容は専ら田舎の昔話と、狭いコミュニティの世間話。
途中しょうがないので強引に結婚系話の流れに持っていくも、絶対に田舎を離れたくないと言い切る彼女。
最初からなかった俺のトキメキはここに至りむしろ倦怠感に変わり、早く大阪に戻りたいという気持ちがどんどんこみ上げてきた。
お互い運命めいた直感は全く得られないまま、食事もせず2時間ほどで解散。
ただ、彼女は決して悪い人ではなく、母親が気に入りそうな気立ての良い飾らない性格の持ち主だったことははっきりと分かった。


しかし、これで満足したのは果たして誰なのか。
一つ言えるのは、こんなものは「お見合い」でも何でもないということだけだ。
粉雪舞う、元旦の出来事。