いつの時代にも、人生の知恵を伝える本があって
本物は時代を超えて、役に立つ
最近、久しぶりに読書欲が刺激されていて
チョコチョコと本を読んでます♪
上の『猫の妙術』は、いま読んでいる
『ヒロインの旅』の前に読んだのですが
かの剣豪、山岡鉄舟も愛読していたという
なかなか面白い本でした
作者の佚斎樗山(いっさいちょざん)は
江戸初期の武士で
当時「談義本」の著者としても有名だったようです
談義本というのは、当時の武士のたしなみであった
難解な中国思想を、分かりやすく解説したもので
今でいう自己啓発本とか、啓蒙書とか
そういう類の本を書いていた人物のようです
(私も今回初めてその名前を知りました)
主人公の勝軒(しょうけん)は、江戸の剣術者で
腕はそこそこだが、達人とまでは言えず
剣術とは何ぞや、奥義とは何ぞやと
つねに思いを巡らすも
いつまでたっても
「これぞ我が剣なり」という確信も得られず
文中の言葉を借りれば
まるで、山の頂に向かう途上、深い霧に包まれ
身動きが取れないような惑いを抱えたまま
日々を過ごしていた…ようです
現代でも十分ありそうなことですよね ^^;
そんな勝軒の家に、ある日
見たこともないような、巨大なネズミが現れる
追い払おうとするが、これがなかなかに手ごわく
勝軒には、まったく歯が立ちません
そこで、鼠には猫を!とうことになり
飼っていた黒猫から始まり
技のデパートのような達人猫
すさまじい気で圧倒する達人猫
相手の心に寄り添い、懐柔する達人猫
などなど…
次々と、いろんな達人猫たちが
鼠に戦いを挑んでいきます
まぁ、これ以上書くと
ネタバレになってしまうのでやめときますが
この話は、剣術はもちろん
(やったことないから分からないけど)
ふつうの私たちの人生においても
十分に当てはまるなぁ、と思いました
この、見たこともない巨大な鼠というのは
もちろん一つの比喩であって
自分がそれまでぶち当たったことのないような
大きな困難や、壁のようなものを
表しているのだと思います
それが、自分の家の中に出る、ということは
もはや他人事では済まされない、という
切羽詰まった、当事者感覚を表していますよね 笑
そこで主人公は
これまでの経験から考えてみて
きっとこれなら!という解決策を
次々と試していくわけですが
それらがちっとも役に立たず
手も足も出ない…
と、こういう窮地に至った時にはじめて
私たちは大きくパラダイムをシフトする
必要性(準備ができたとも言う)が出てくるわけですが
さて、目指すべきはどっちなのか…
『猫の妙術』は
老荘思想の影響を強く受けている作品で
1時間もあれば読めるような
とっても短い作品ですが
とくに、いまのように
先がはっきりしない時代に
小手先の技を超えて、どう腰を据えていくか
どう未知の出来事に対応していくのか
そんなヒントを、遠く江戸の知者から
一緒に日向ぼっこしながら教えてもらったような
楽しい時間でした♪
今日も遊びにいらしてくれて
ありがとうございました💗
すべての人が
自分らしく生きられますように
世界中の人が
安心して暮らせますように