ウメ犬の抜糸に、獣医さんに向かうとき。
目の前をクネクネと横切る細長い動物がいた。
イタチの子供かな。
いや、猫だ!
って気づくまでに数秒かかった。
その子は下半身を引きずり前脚だけで
2車線の道路を横切り 歩道に上がろうとして、
もう一度あがろうとして よろけて座り込んだ。
上を向き 口をあけて喘いでいる。
私は車を停めたものの、
すぐには降りることができなかった。
いざ直面してしまうと
すぐに駆け寄った子供の頃とは違う自分がいた。
恥ずかしながら
「無理! 」と思う自分を打ち消すのに少し時間が
かかった。
うちで猫を飼うことは 本当に無理か?
お金、なんとかできるのではないか?
本当に無理か?本当か?
子供達が叫んでいる。
お母さん、早く早く!
助けに行こう!
地元のボランティアさんに電話をかけてみる。
出ない。留守電を残しながら車を降りる。
「病院につれていきます。助かったら
飼主を探すの手伝っていただけませんでしょうか」
倒れてしまった猫は荒い息をしていた。
お尻と尻尾に乾いた下痢便がベッタリ付着
している他は外傷はみあたらない。
綺麗な顔をした子猫だった。
猫はあまりにもグッタリしていて
ついさっきあの道を横切った姿を見なかったら
もう助からないと判断したかもしれない。
でもほんの、何十秒か前まで走れた命。
ごめんねネコちゃん、さわるよ。
持ち上げるよ〜。
声をかけて
そっとタオルに乗せて車に乗せる。
急ぐ。
病院の先生は 順番を飛ばして診察室に
案内してくれたけど。
助からなかった。
助けられなかった。
ごめんね…猫ちゃん。
暖かい柔らかい毛の下に小さな虫が動き回っている。
野良猫だったんだね。頑張って生きてきたのにね。
もしかしたら、お母さん猫の声がして
走ったのかな。
お母さんが、近くにいないか探してあげたら
よかったな。
ごめんね
猫ちゃん…。








