地元新聞の読者投稿欄からの切り抜き。

読者の投稿が何件か続いてから

なんと、ある自治体からもそれに対する投稿が!

何か参考になることがあれば、と思い

とりあげてみます。

 

(※今回の記事は、この投稿文を再掲載することではなく、

投稿文の内容に関する個人的な考察を掲載することを目的としています。

よって「引用」という範囲を逸脱するものではないと考えますが、

何か問題がある場合には当記事を非公開とする対応を取りますので、

その理由を添えてお知らせいただければと思います)

 

 

 

さて、最初の投稿は「町内会の負担軽減を」というタイトル。

以下、要旨。

 

 市は市民に対し町内会への加入を勧めている。

 当然、市の職員は全員が町内会に加入しているはず。

 ならば、問題解決に向けて役所の方が役員になり、

 役員の立場として問題から目を背けてはいけないし、

 町内会員や役員がプライベートを削り

 ボランティアで業務を行っていることに配慮しなければならない。

 

  51歳 女性

 

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「町内会役員の世代交代の難しさ」という問題には

我が町会もブチ当たっている真っ最中。

そんな中、この投稿文には

「役所の方が役員になればよい」、とあるが、 

いくつもある町会それぞれに充当するのは現実的に無理だし

それぞれの町会にまんべんなく在住しているとは限らない。

また、それぞれの専門分野というのもあるのだろうから

一筋縄ではいかないと思う。

当然、給与の問題もある。

「町内会の役員にされた市職員」については

自治体からの出向扱いにして、

これまで通り自治体から給与を得るということになろうが、

そうなると、

一緒に活動した町内会員の「報酬」は…??という問題が生じないかな?

 

この投稿では、

町内会や自治会と自治体とのつながりを強化し

労働力の提供や財政支援等を求めているように感じられる。

その割に、

「プライベート(な時間)を削り、(無償)ボランティアで

業務を行っていることに配慮をしなければならない」 

…と記しているので、

「町内会活動は原則無償ボランティアである」

…という基本認識をお持ちなのだということがわかるのだが、

「原則無料ボランティア」として活動している町内会員に対して、

自治体から給与を貰っている「町内会役員になった市職員」が

どんな「配慮をしなければならない」ことになるのだろうか?

 

 

 

で、2本目の投稿は「自治会を考える」というタイトル。

以下、要旨。

 

 自治会や町内会は役場の下請けだと考えている方もいるが、

 私の住む地域の自治会では地区独自の祭りなども企画し、

 近隣の自治会とも連携して郷土芸能を発表するなどもして

 楽しい自治会である。

 総会には多数の会員が出席し、会議の後には懇親会もある。

 酒席を批判する人もいるが、それでは地域が発展しない。

 酒席があるからこそ自然と役員候補者も出てくる。

 自治会の発展を考えるならば

 優良だと思える自治会から総会資料などを拝借し

 今後何をすべきかを有志で検討すべきである。

 

 81歳 男性

 

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比較的スムーズに回っている自治会と見ました。

そういう中でワタシの気になったのは、

投稿された方のお年が81歳。

投稿者よりも下の年代である役員さんに

いろいろな問題が丸投げにされていないかと

人様の地域のことながら、気になってしまいました。

活動の活発なことは地域の方々の生活にも

メリハリを与え、交流を促進する場になります。

この点では、ちょっと羨ましい気もしますが、

それにしても、この投稿者さん、

どれだけ酒席を好きなのよ!?

飲みすぎには気を付けましょう。

 

 

 

で、3本目は自治体からの投稿。

以下、要旨。

 

 近年、人口減少や少子高齢化、ライフスタイルの多様化などにより

 町内会の加入率低下や担い手不足が

 どの町内会にも共通する問題となっていると認識している。

 町内会は地域住民によって自主的に組織・運営されている

 最も身近な自治組織として多岐にわたる活動をしており、

 協働のまちづくりの大切なパートナーであると考えている。

 そのため、人材発掘・育成のためのセミナー、

 運営のヒントとなる講座などを開催したり、

 連合町内会長の皆様と一緒に考える場も設けている。

 独自の取り組みなどをしている町内会の事例も広く紹介し

 町内会の皆様が継続的に活動できるよう

 引き続き支援を行っていく。

 住みよいまちをつくるためには
 地域での共助の仕組みを支える多様な主体の協力が必要である。

 今後も身近な自治組織である町内会に対する

 理解と協力をお願いしたい。

 

 総合政策部 市民連携推進課

 

 

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この投稿からこちらの自治体の

町内会という組織の立場に対する基本的認識が見て取れます。

 

 「町内会は地域住民の皆様によって

  自主的に組織・運営されている最も身近な自治組織」

 

 「市が進める協働のまちづくりの大切なパートナー」

 

 「市としても引き続き支援を行っていく」

 

 「住みよいまちをつくるためには

  地域での共助の仕組みを支える多様な主体の協力が必要」

 

 

あくまでも自治体は自治体、町内会は町内会という

それぞれに独立した組織なのだ、という一線は堅持してますね。

具体的な支援の内容や方法は一切なし。

まぁ、それはケースバイケースなので仕方ないですね。

結構突っ込んだ投稿もあった中、

何とか無難な文書で回答して切り抜けた感がありますが、

現状では、これが限界なのでしょう。

 

ちなみに、

自治体の広報誌について、

ワタシの在住している自治体では、

各町会の行政員(=町会長)にドッと預けて

仕分けと配達を依頼するという方法を取っており、

町会長はさらに各班の部数に仕分けたあとで班長宅へと届け、

班長は自分の班員のお宅に配達をする…

…といった方法で配布がなされています。

 

で、こちらの新聞投稿にあった自治体では、

町内会のない地域については

ポスティング業者やシルバー人材センターに依頼して

各世帯に配達をする場合もあるとのことでした。

地方都市だからこそできる対応ですね。

ウチのような郡部では不可能です…。

 

 

それと、ごみ収集の件。

ワタシの自治体では町会の設置したゴミ集積所に出すのが基本。

新聞投稿のあった自治体では、

ゴミ集積所に集められたものは当然収集しているのですが、

戸別収集も行っていました。

余談ですが、

商業地域などでは道路の渋滞を避けるために、

収集の締め切り時間が極端に早い時間に設定されていて、

昔ワタシがそこで暮らしていた頃には

朝6時までに出す必要があって、なかなかハードでした。滝汗

 

 

話が逸れました。

結局、新聞への投稿文では

町会が根底に抱えている本質的な問題については

何も得られなかった、というのが

今回記事でのワタシの結論です。

より深いところまで掘り下げた上で、

それを如何にシンプルな方法で

望ましい方向へと持っていけるのか、

まだまだ時間はかかりそう、です。

 

 

雨による災害に、くれぐれもお気を付け下さいませ。

へば。バイバイ

 

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