とても忙しい日曜日を過ごしておりました。お昼、15分しか時間がないのに、バイキング式の定食屋に飛び込み、脂ののった大好きなサンマを選んで大急ぎで食べました。
すると、食べている最中に「チクッ」と感じました。
久々にやってしまいました。
ノドにサンマの骨が刺さってしまったのです。
それからは、常にノドはチクチク。大きなご飯を飲み込んでも、うがいをしても、咳き込んでみても取れませんでした。
「そのうち取れるだろう」
「朝起きたら取れてるかも」
と期待しましたが、三日経っても取れず、昨日ついに耳鼻咽喉科を訪ねました。
強面で寡黙な初老の先生は、いきなり私の舌をつかんで引っ張り、肉眼で探しはじめました。舌を引きちぎられるかと思うくらい強く引っ張られました。看護師さんは「我慢してください」と。しかし、見つかりませんでした。
今度はマイクロスコープを、ノドの奥に入れ、モニターで探しはじめました。「えー」を言い続けて、と言われ、強烈な吐き気に襲われながら「えー」を言い続けました。
涙目でモニターを見ると、不気味なものが映し出されていました。「声帯」です。これは興味深かったです。二枚の白い板状の弁が開いたり閉じたりして、まるでもう一つの歯がノドに付いているみたいです。
不気味に思ったのは、「えー」と言うたびに、この弁が私の意志に関係なく、おそらく1秒間に2〜3回の速さで開閉を繰り返しているのです。しかも、機械のように動くので、かなり衝撃的でした。初めて自分の声帯が働いている姿を見ることがきました。
まもなく…
先生は「ハーン」と声をあげると、スコープをはずしました。そしてヘラをノド深く挿し入れました。「オエ〜」と最大級の吐き気が襲いました。看護師さんは「我慢してください」と。大量の涙。
そして…
「これだな」と見せられたピンセットの先には、たった5mm程の細い小さな小さなさんまの骨。とたんにチクチク違和感はなくなり、ティッシュをもらって喜びの涙を拭いました。
先生や看護師さんに心からの感謝を伝えて診察室を出ました。
ところが、会計を聞いてびっくり。
「3960円です」
高い「さんま定食」となりましたが、自分の声帯と予期せず出会うことができたので良しといたしました。もう絶対に慌てて魚を食べることはないでしょう^^;
検索したら動画がありました↓
「え〜」の時の動きが私が見た声帯の働きです。
もっとUPで鮮明に見たこともあり、パクパクしてたように感じましたが、実際は震えているのですね。