今から数年前、ボクも兄もまだ実家に住んでいたときに…。
兄は隣の部屋で寝ていたのですが、深夜に壁を貫通して、
「うわあああ」
とか
「もうイヤだあああ」
みたいな寝言とかうめき声が聞こえてくるんですね。
次の日兄に聞いても、そんなこと言った覚えはないとのことで、自分では意識がないらしいんです。
当時兄は出版社に勤めていて、日々徹夜続きの激務な仕事をしていて、寝言はその苦しさからだと思うのですが、
――出版社ってのはこんなにきついのか…。魔界みたいなところだな…。
とボクも怯えていた記憶があります。
そしてその寝言を聞いて、兄は昔から寝言を言う癖があったなあ、と思い出したのです。
まだボクも兄も小学生か中学生ぐらいのとき、家族旅行に行ったのですが、旅館で隣の布団で寝ていた兄が、
「セガサターンがああああ!!!」
と急に叫びだしたのでした。
注:「セガサターンとは」
セガから発売された家庭用ゲーム機。プレイステーションと同時期に発売されたが、プレステ人気に押されていて、周りで持っている人は少なかった。
セガサターンがどうしたんだろう、と思いながら兄をじっと見ていたのですが、寝ている兄はそれ以降何も喋らなくなってしまったのです。
セガサターンは家にはないし、なんでこの単語が出てきたのが不思議でした。
次の日兄に問い詰めても、
「まったく記憶にない」
と言っていて、今でもこの寝言の謎は解明されていません。
