『永遠の僕たち』ガス・ヴァン・サント | 最強の作家への飛翔

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本と映画と作業日誌
まさかガス・ヴァン・サント監督の映画が、沖縄で観られるとは思わなかった。

ゆいレール県庁前駅に隣接している『パレットくもじ』9階のシネマパレットは、結構渋い映画を上映してくれていて、ガスの『永遠の僕たち』を観ることができたのだった!


正月の1月1日。

パレットくもじの1階から8階までは年始のため休業だったが、なぜか9階にある映画館だけ上映していた。客なんてほとんど来ないというのに、あえて元旦営業に踏み切ったシネマパレットには、惜しみない賞賛を送りたいと思う。

映画開始最初の10分くらいは、客は僕一人で貸切だった。

途中から女性が一人入ってきて、二人で映画を観ていた(もちろん席は離れていたが)


『永遠の僕たち』のストーリーは、それほど奇抜ではない。

人の葬式にもぐりこむのが趣味の男の子(この設定は結構変わってるが)と、がんで余命があまり残されていない女の子と出逢って、仲良くなったり喧嘩したりとか、まあそういう話である。


ちなみに、男の子は日本兵の幽霊を見ることができて、その幽霊とゲームをしたり喧嘩をしたりするのだが、幽霊が自分だけに見える、という設定も、それほど新しいものでもない。


ただ、この映画は、よくある難病物のお涙頂戴映画とは確実に何かが違う、ような気がする。

まず、圧倒的に美しい。

道路に寝っころがって警察官が死体にチョークで線をつけるみたいに、自分の周りに線を書くシーンだったり、女の子が鳥のすごさについて語るシーンだったり、二人で森の中に入って役になりきってロールプレイングを始めるシーンだったり、印象に残るシーンがたくさんある。


また、これはガス・ヴァン・サント監督の今までの映画にも通じるのだが、良くも悪くも演出が激しくない。

『エレファント』が、コロンバイン高校の乱射事件を題材にしながらも静かな映画になっていたように、今回の『永遠の僕たち』もあざとく泣かせようという演出がほとんどない。


淡々と状況を描いている、という感じで、扱っているテーマは重いのだが、観ていてすがすがしいというか清らかな気持ちになってくる。


そして、こんな男女の純愛映画を、知らない男女が二人だけで映画館で観ているという奇跡!!


「映画面白かったですね。良かったらカフェで感想でも話しませんか?」


的な流れで、何か出会いに発展するのかと期待していたが、映画が終わった瞬間にその女性はすぐに映画館から立ち去ってしまった。

どうやら『二時間の僕たち』だったようだ。