時の声/J.G.バラード | 最強の作家への飛翔

最強の作家への飛翔

このブログは、近い将来「最強の作家」になる飛将の、偉大なる軌跡なのです。

眠っている時間って、もしかして無駄なんじゃないのか?


高校生のときこんな疑問が浮かんだ。

そして、睡眠時間を少なくするマニュアル本などを読み、いろいろ努力してみた。

家庭科の授業の自由課題レポートで『睡眠時間を減らす方法』について書いて提出したが、先生の反応は芳しくなかった。


「ちゃんと寝たほうがいいですよ」

と感想で書いてあった。


ちなみに、ある本によると、修行の結果、一週間に一時間しか寝なくて大丈夫な人も世の中にはいるらしい…

本当かどうかは謎だが…。

ただ、その人はあまり食べると眠くなってしまうので、基本的には草と水を食料にして暮らしているらしい…。

そうまでして眠りを減らす意味があるのかどうかは謎だが…。


イギリスの作家J.G.バラードの短編集『時の声』に、実験により睡眠機能を奪われた男たちの話『マンホール69』がある。


『われわれのこの手術が全世界に普及した将来を想像してみたまえ。初めて人類は、一日二十四時間を正味生きることになる。

その三分の一を病人として浪費することも、八時間高いびきで幼稚なエロ・ショウを見物することもなくなるのだ』


順調に進んでいるかに思えた実験だったが、少しずつおかしなことが起こり始める。

眠ることができなくなった男たちが、狂い始めるのである。


『僕の言いたいのは、よかれ悪しかれ、ラングとゴレルとエイヴリが、自分自身から逃れるすべをなくしてしまった、ということなんです。永久にね。八時間はおろか、ただの一分も逃れられない。あなたはどこまで自意識に耐えられます?ひょっとすると、一日八時間の休息は、人間が自分自身であることのショックを乗り切るために必要なのかもしれない』


実験に参加した男たちはどうなってしまうのか?

バラードの悪夢的想像力が、炸裂している一冊だった。

そして、やっぱり眠りは大切だということが分かり、僕は今日も心置きなく眠りにつくのです。