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「I」
idea(アイディア)
「あなたがアイディアを考えるのに必要なものはなんですか?」
と、ある雑誌で、何人ものクリエーターに質問していた記事があった。
ほとんどの人は、「メモ帳」とか「コーヒー」とか平凡な答えをしていたが、一人だけ
「僕の言ったことに、何でも凄いと言ってくれる友人」
という回答をしている方がいて、なるほど、と思った。
アイディアは褒められて出てくるものだと思う。
何か少し思いついたときに、それを否定されたら、アイディアはそこでストップしてしまうだろう。
そこで、これは仕事になるんじゃないかと思った。
名づけて『アイディア湧かせ屋』。
説明しよう。この仕事は、どんな意見も『凄い』と褒め称えて、アイディアを湧かせる職業である。
例えば、ゲームセンターの社長がアイディアを出すときのシミュレーションをしてみよう。
社長「なんか新しいゲーム考えないとなんだが、アイディアが思い浮かばんなあ。hat君、きみなんかアイディアあるかね?」
僕「いや、ちょっとわかりませんねえ(注1、自分からはアイディアは出さなくて良い)。社長の好きなことやってくださいよ!なんでも!」
社長「好きなことかあ。最近動物園に行って来て、キリンがかわいいと思ったんだが…」
僕「キリン!凄い!凄いですよ社長!キリンいいじゃないですか!キリンでなんかやりましょうよ」
社長「そうかあ?適当に言っただけなのに褒められちゃったなあ。じゃあキリンの首で輪投げやるってのはどうかなあ。いやあ、安直な発想だよなあ…」
僕「キリンで輪投げ!!凄い!素晴らしい!それいいですよ!キリンは動いてるんですか?(注2、少しだけ質問して意見を聞いてみる。質問は適当でよい。)
社長「キリンは動いてたほうがいいだろうなあ。うん、待てよ?モグラ叩きのゲームあるだろ?あれをモグラじゃなくキリンが出てくるようにして、叩くのではなくワッカを引っ掛けたらポイントにするのはどうだろう?」
僕「グレイト!完璧ですよ社長!もぐら叩きって、叩くのに力がいるから疲れますからね。キリン輪投げなら気軽に遊べるし。流行りますよ、絶対!」
社長「そうかあ?なんか面白そうになってきたなあ。じゃあただのワッカではなく、子供のキリンが二頭くっついてワッカになってるのはどうだろう?それを穴から出てくる親キリンの首に引っ掛けるゲームだ」
僕「前代未聞ですよ、社長!ゲームセンター業界の歴史が変わる瞬間に、僕は立ち会っているのかもしれない…。今までモグラ叩きは、タナトス(破壊的欲求)のゲームでした。しかし、それを親キリンに子供のキリンを引っ掛ける『キリン輪投げ』にすることにより、愛情溢れるエロス(愛情的欲求)のゲームに変貌しています!これは凄い!老若男女にヒットしますよ!凄い!凄い!凄い!」
社長「なんだか君と話してるとアイディアが湧いてくるなあ。これボーナスだから。取っておきたまえ」
僕「ボーナス!凄い!」
とまあ、こんな感じで、
「自分は何もアイディアを考えなくても、結果的にアイディアが生まれる」
という凄い職業なんです。『アイディア沸かせ屋』は。
こんなアイディアを今日の帰り道に考えてたのですが、誰か凄いって言ってくれないかなあ。
