「これからはマルチスペシャリストの時代だ」と、ハイパーメディアクリエイターの高城剛氏が、著書で述べています。一つの分野だけではなく、さまざまな分野で活躍する人が増えてくる、ということです。
北野武監督は成功しているマルチスペシャリストの一人でしょう。笑いの分野でも活躍しているし、映画も面白い。というよりも、むしろ、笑いの分野で活躍しているからこそ、面白い映画が作れるのだと思います。
北野映画のキーワードは「笑い」だと、僕は思います。最新作『アキレスと亀』には、たくさんのテーマが垣間見えます。
芸術とは何か?才能とは何か?エゴとは何か?夫婦愛とは何か?生きるとは何か?
このような普遍的な重いテーマを、北野監督は笑いというフィルターを通して、エンターテーメントに昇華させています。
前半の少年時代は笑いをかなり抑えていて、青年時代に入ると徐々に盛り上がり、後半、ビートたけしが登場した途端に、笑いがスパークします。この映画の批評で、「チャップリンの映画のようだ」という指摘がありましたが、僕は北野武監督はウディアレン監督に似ていると思いました。作品の内容が似ているというよりは、映画作りに対する姿勢に、共通したものがある気がします。ほぼ毎年、コンスタントにクオリティの高い作品を発表しているのにもかかわらず、興行収入的にはそれほど恵まれていないところも、ウディアレンそっくりです。
アメリカでは俳優が映画監督になるケースが多く、しかもそういう場合はかなり面白くなることが多いです。(この前観たショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』は傑作でした!!)
日本でも役所広司とかオダギリジョーが監督になったら面白そうですね、って思っていたら、実際、役所広司監督の映画が製作されるみたいですね。(今ネットで見て知りましたよ…。やはりブログを書こうとすると、知らなかったことに気付くことが増えそうです。良い傾向です)
まあ役者以外にも、他の分野で活躍している人が撮った映画には興味がありますね。中原昌也氏やリリーフランー氏が映画を撮れば、絶対に興味深い作品になると思うので、是非撮って欲しいですね。