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日本の構造と世界の最適化

戦後システムの老朽化といまだ見えぬ「新しい世界」。
古いシステムが自ら自己改革することなどできず、
いっそ「破綻」させ「やむなく転換」させるのが現実的か。

人口という尺度


■人口で測る経済

原始的な経済ではGDP成長はほぼ人口成長・農業生産の伸びに依存している。100人の孤島が存在するなら、100人が飢え死にしない食糧の存在やこれに必要な経済活動の存在が推定できるわけだ。


人口の記録は結構古くからあるため、そこから大雑把な経済規模は推測できるだろう。


紀元1000年 世界最大 コルドバ(後期ウマイヤ朝スペイン) 人口45万 
           開封(中国宋王朝)                人口40万
           コンスタンティノープル(東ローマ帝国)    人口30万
           アンコール(クメール王国)           人口20万
           京都(日本)                    人口17万
          *当時西欧はパリでもわずか数万程度


紀元1500年 世界最大 北京(中国明王朝)          人口67万
           ヴィジャヤナガル(インド)          人口50万
           カイロ(エジプト・マムルーク朝)       人口40万
           タブリーズ(イラン・サファヴィー朝)     人口25万
           イスタンブール(オスマン帝国)        人口20万
           パリ(フランス・ヴァロワ朝)           人口18万
          
紀元1800年 世界最大 北京(中国清王朝)          人口110万
           ロンドン(イギリス)               人口 86万
           江戸(日本徳川幕府)             人口 68万
           イスタンブール(オスマン帝国)       人口 57万
           パリ(フランス・ナポレオン帝政)       人口 54万


紀元1900年 世界最大 ロンドン(イギリス)          人口648万
           ニューヨーク(アメリカ)             人口424万
           パリ(フランス第三共和制)          人口323万
           ベルリン(ドイツ帝国)             人口270万
           ウィーン(オーストリア)            人口169万
           東京(大日本帝国)              人口149万
           サンクトペテルブルク(ロシア帝国)    人口143万


人口からも経済覇権の変遷が見て取れるかもしれない。

*ここからわかることは、経済的には西欧は長い間、世界の周縁に過ぎなかったということである。ローマ帝国の崩壊以来、西欧は分裂し争いの絶えない領邦でカソリック教会による統一も失敗した。


■経済力と経済指標

経済力や国富について、いろんな指標がある。

単一の指標では国家経済という膨大な規模の全体は把握しきれない。


例えば、GDPという指標が大手を振っているがこれは生産力の実績を基軸としたものだ。ムダなモノを無理してたくさん作ってもその年のGDPは膨れ上がる。財政破綻するような財政出動で一定時期のGDPを飛躍的に伸ばすこともできる。バブル金融という錬金術でGDPを膨らますこともできる。これは生産しか見ていない所以である。また欧州債務危機が勃発するまで、ギリシャは2000年以降GDP成長4.7%という優等生であった。GDPだけではわからない。
*ところでGNPという指標ならば、ハプスブルク朝スペイン大帝国は文句なしに超大国であったが、GDPというスペイン本土自体で見れば農業・加工業ともにたいしたことはなかった。更にハプスブルク朝が支配したアントワープという本土外の商業拠点は新大陸の7倍の価値があったともされる。


また人口増が3%でGDPが4%成長なら、人口寄与に依存しない成長は1%しかない。


それゆえ、「1人当たりGDP」の実態も同時に検証する必要がある。


そうすると日本の1人当たりGDPは、フランスやアイルランド、オーストラリアに劣っている。労働時間は日本の方が長いのに劣っている。また統計に出てくる労働時間にはサービス残業が入っていないので実際の労働時間ははるかに長いことを踏まえると、過労死しながら負けていることになる。


「米国と肩を並べる世界大国の我が日本、どうだ参ったか」
そう言っていたあなたの誇りは崩れ落ちる。人が多いことも作用していた。また中国のGDPが台頭しているが1人当たりGDPではクロアチアにもタイにも負ける。
国の国内総生産順リスト (一人当り購買力平価)(wikipedia)

このように単一のデータ系列だけではトリックに陥る。


更にGDPは売上のようなフローなので、資産のようなストックは別問題である。国民の教育水準、治安、公共インフラという無形・有形の価値のストックも大きい。産油国が好調な時期があったとしても、値崩れというバナナ・リパブリックと同じ不安がある。


だが結局こういった経済の捉え方はナショナルなものでしかない。


そもそも、輸出入を前提として相互接続されている世界経済において、「やった!あいつには勝った!」と言っても意味がない。売り手しか存在しない世界はあり得ない。そして買い手が倒産すれば売り手は途方に暮れる。世界は情緒や歴史教科書ではつながっていないが物質と交換でつながっている。
世界金融危機(2008年)は米国の失態であるが、不動産バブルに関与すらしていない日本が受けた打撃はドイツよりも大きかった。
*アベノミクスの寄与にはいろんな議論があるが、円安メリットを受け伸びている「機械受注」は恒常的に花形的存在となっている。その最大の輸出先は中国である。


要するに陸上選手がゼッケンをつけてヨーイドンで競い合うのはまったく違う。取引関係のあるトヨタと新日鉄住金が競い合うようなものであり、それゆえ国家間には貿易摩擦がある。


■先進国と開発途上国

また人口増以外に由来する経済成長は、インフラや設備の高度化を通じた生産性向上の賜物であろう。先進国のGDPが発展途上国より大きいのは明らかに人口以外の要因があるだろう。開発途上国同士でも、人口規模の近いケニア(GDP=552億ドル)とウクライナ(GDP=1774億ドル)のGDPは2倍以上の差がある。
先進国・開発途上国別の1人当たりGDPの推移の比較(環境白書)

生産性というのは「早くぱっぱっと大量の仕事をこなす」ではない。大きく寄与するのは高性能の設備の導入であり、開発途上国が徹夜すれば日本に勝てるというわけではない。先進国の労働生産性が高いのは、設備投資を通じた産業の高度化にある。
*日本はバブル崩壊以降、設備投資による生産性向上をせずに長時間労働と派遣労働で乗り切ろうとしたので、生産性は伸び悩むこととなった。いわば牛馬から蒸気機関に移行したのではなく、江戸時代のように牛馬から安い手作業に退行したのである。


それゆえ現在の経済では、人口とGDPには必ずしも強い相関性は認められないと言えるだろう。
*ただし人口の伸びが上げ潮か下げ潮かは、先進国ですらインパクトの大きなものかもしれない。高度化した経済が消費や社会保障に大きく依存している場合、されど世代的インパクトが大きいからもしれない。とりわけ社会保障による財政負担の歪みという形で。今後じっくり検証してみたい領域だ。


また人口は需要と供給の原動力でもあるので、経済体=国家としてはプラスとマイナスの両面がある。下げ潮で貧しくて人口が多ければ悲惨であるが、人口が極小であれば優れた経済政策があってもたいして加速しないかもしれない。
ポルトガルやオランダが突出し富裕経済大国となった時期もあったが、人口が少なかったため広大な海外領土を管理して軍隊を世界中に配置することはできなかった。やがて経済的に成り立たなくなって人口の多いイギリスに覇権を奪われていくことになる。


総人口の推移だけでなく、供給力としての労働人口の推移も重要であろう。


日本経済の供給力の縮小顕在化


ところで日本のデフレ経済について「需要が足りない/消費が足りない」というケインズ主義的な指摘が支配的であった。また高齢化社会で若者の負担が重くなることも、ずいぶん前から指摘されていた。


ケインズ主義経済政策は、政府が財政出動により需要を下支えして不況期の解雇を抑制しようとするものである。バブル崩壊以降の日本は、常道である財政出動をしなかったわけではない。しかし金利引き下げと財政出動ではデフレ&低成長から脱却できなかったのが「失われた10年」であった。
*ただしケインズ主義で想定しているのは3年周期くらいの在庫調整がもたらす不況の下支えであって、日本のデフレや先進国の低迷のような構造的問題の処方箋にはならない。地域創生で商品券という財政出動はムダであろう。


しかしながら、今後迫ってくるのは供給力の縮小そして労働人口の縮小である。


        需要が足りない → ← 供給が足りない


■人口の異動

日本の人口ピークは総人口で2004年1億2,784万人であるが生産年齢人口では1995年8,716万人である。


日本バブル崩壊後は一斉に雇用を絞ったのでベビーブーマー・ジュニアの一定数が新卒入社という日本ビジネス慣習から脱落し、ロスジェネと呼ばれるようになった。デフレで労働需要が低迷し労働単価切り下げが求められたので人材派遣が繁盛し、残業が長期化した。この頃は労働の需要側が一方的に縮小したのである。


ところで戦後経済を押し上げたベビーブーマーは戦後先進国に共通して見られる現象だが、特に日本の「団塊の世代」は1947年-1949年の3年間に極端に集中している。これは実は食糧危機や経済不安の中で1948年『優生保護法』によって人口抑制が進められたためである。戦中から1947年まで避妊・中絶・不妊手術は「堕胎罪」の対象であり「堕胎は国家に対する罪」であった。堕胎罪の緩和によって戦後に貧困の中での大量出産は抑制されるようになった。
我が国の人口は長期的には急減する局面に(国土交通省)
不況の原因はこれか? 生産年齢人口の減少をグラフ化してみる。(Vita Ricca)


こうしたベビーブーム(団塊の世代800万人)世代人口突出は、マネーの流出入に不均衡をもたらす。若者が老人を支えるという賦課方式の社会保障制度の場合、ベビーブーマー(団塊の世代)が支払人から受取人に一斉に転換すると大きな歪みを生じることになる。


また労働人口縮小は、総人口縮小よりも痛い話しかもしれない。


老人はいずれ死亡という形で消滅していくだろう。しかし労働人口自体が縮小を続けると老人増加と同じ効果がある。借金や負担の方だけが単に重くなっていくというイメージではなく、今後は収入や稼ぎ頭も減っていくイメージである。借金が増え収入が減る、これでは四面楚歌となる。


どんな高性能高燃費で「日本技術立国うおおお」のハイテク自動車も、燃料を入れなければ走れない。また燃料が十分あっても運転手がいなければタクシーもトラックも動かない。


2060年には人口は9000万人を割る。リニア計画などは人口減少を勘案しているのであろうか。利用者は今後全体的には減るはずである。


需要ではなく供給=インプットの問題が顕在化していく。


アベノミクスで露呈する供給の限界


アベノミクスの3本の矢のうち一つは財政出動であった。


不況停滞 これは戦後のお決まりのパターンだが、震災復興・東京オリンピックなど大型の公共事業やリニア計画が控え、本来はインパクトがあるはずである。資材高騰だけでなく労働需要が急拡大する。


しかしアベノミクスは、現在エネルギー価格と食品価格を除いた物価を大きく引き上げるほどの効果がない。また公共事業の顕著な拡大は、エネルギー・コスト(火力発電への転換・再生エネルギーコスト転嫁)も作用して、日本経済の供給面の限界を露呈することになった。
*2013年のGDP成長(1.52%)は公共事業寄与を除くと実質ゼロ。


つまりデフレ・ギャップは、潜在成長力が縮小することによって埋まったのである。失業率も低下傾向にある。いわば需要は増えていないが供給が縮小することで産出ギャップが埋まった状態ということになる。
*デフレ・ギャップ(産出ギャップ)=潜在GDP-名目GDP、要するに潜在能力の発揮不足。
供給力が下がってデフレは終わった(2014/05/10池田信夫)
*デフレ・ギャップが埋まればインフレを実現することは可能とされる。インフレだけが目的ならば潜在能力が縮むか、名目成長が膨らむか、どちらでも同じとなる。
潜在成長率はさらに低下した?(2014/03/28富士通総研)
雇用情勢一段と改善、12月失業率17年ぶり・有効求人倍率22年ぶり水準(2015/01/30ロイター)

失業率の改善は労働力逼迫化によるものであり、もはや完全雇用に近い水準で余分な労働力はない。政府が仕事を増やしても請け負える能力が限界に近いことが示されている。


■建設業の労働力不足

公共事業に直結するのは建設業だが、小泉政権以来抑制されてきた公共事業がアベノミクスの財政出動、震災復興、東京オリンピック、リニア計画もあって急激に膨らんだため、労働力不足に真正面から直面することになっている。作業員を集められないので入札辞退などの報道もある。
<建設技能者>ピンチ「100万人規模の大量離職で4割減」(2015/03/20毎日新聞)

生コンが来ない! 建設現場の悲痛な叫び(2014/02/23東洋経済)

建滴 建設技能者不足 待ったなしの就労改善(2012/01/23建通新聞)

交通誘導員不足が深刻化、確保できず入札辞退も(2013/10/07北海道建設新聞)

公共工事、入札不調-人手不足の影響広がる(2014/08/22日刊工業新聞)



■農林水産業の労働力不足

農林水産というが、もはや林業は話題にもならない。日本の山林の半分は杉などの人工林だがこれを管理する人材も昔から不足している。人工林を放置しても原生林になるわけではなく山地の土壌もおかしくなる。土砂災害も起こりやすくなるだろう。
*「農業を守れ」と叫ぶ人もいるが、「林業を守れ」と言う人はいなくなった。林業を守って木材輸入を制限すれば建材が高くなりマイホームは手が届かなくなる。「日本の林業を守るために僕達はマイホームは要りません!」という人がいなかったのである。


農業については従事者65歳以上が6割を占めるので、後30年もすれば農業従事者が極端に縮小することになる。しかも繁忙期という労働需要の変動がある産業であり、季節的な軽作業も多い。耕作放棄地も増えている中で小さな国土はムダに活用されている。政府が農業を戦後型から脱皮させようと着目し改革を目指していることは妥当であろう。
雇用を生み出せない農村に救いの手はあるか(2011/01/11日経ビジネス)
タマネギ収穫人手不足 助っ人作業員半減(2014/05/12佐賀新聞)
山形のサクランボ農家、人手不足 繁忙期の半数(2015/03/10読売新聞)


■小売業の労働力不足

建設労働者が不足して労賃が上昇すると、小売業の店員も波及的に不足してくる。おそらく少子化で学生アルバイトも不足している。安価なアルバイトをあてにしていた外食産業は大きな打撃を受けることになる。バブル的な都市再開発をやっても、店舗のアルバイトが足りない。ファーストフード・居酒屋などはこうした時代の変化にもろに直撃しているようである。
ハルカス 意外なところで苦戦 全面開業近いのにバイトが足りない!(2014/01/25)
コンビニ、積極新規出店で人手不足深刻化(2014/12/18ビジネスジャーナル)
時給UPしても確保できない…飲食店の人手不足が深刻(naverまとめニュース)
ワタミ、人手不足解消へ60店閉鎖 居酒屋の1割(2014/03/27日本経済新聞)


■介護の労働力不足

介護は立派な仕事、必要な仕事と賞賛されるが、介護職ではローンを組んだりマイホームを購入したりするのは無理みたいである。結局、年収1000万円以上が見込める旦那と結婚して住環境など幸せの前提を確保し、子供を私立一貫校(センター試験不要!受験塾通い不要)に入れるのがよさそうである。貧乏中流の子供のようにセンター試験を受けなくても上場企業のサラリーマンになることは可能である。

つまり介護のような3K低賃金労働は著しく労働力確保が難しくなる。「誰かやってよ!あたしの息子にそんなことさせないけど!」があなたの本音である。
やりがいだけが頼り!? 低賃金で働く「介護業界」の実態(2014/10/10日刊SPA!)
介護職「30万人不足」 厚労省、2025年度時点の推計示す(2015/02/16J-cast)
介護サービス、倒産や休廃業最多 14年175件、人手不足深刻(2015/03/27北海道新聞)


■いろいろ人材不足

安くていくらでもあったはずの労働力が縮小している。
トラック運転手なども誰でも明日からできる仕事ではない。それこそ交番の巡査からバス運転手まで不足していく。とりわけ地方でアルバイトをしてくれる学生数が激減し、アルバイト人材確保に苦労するはずである。代々木ゼミナールの校舎大量閉鎖はその前兆であろう。
「宅配便が届かない」トラック運転手不足深刻!キツい、安い、長い・・・(2015/01/16J-cast)

<かすむ復興>運転手奪い合い深刻/被災地のバス事情(2015/02/16河北新報)
代々木ゼミナールが全国で予備校20校を閉鎖(2014/11/08ダイヤモンド)


人材不足が賃金上昇をもたらし、実質賃金の引き上げが物価高騰を上回れば一応アベノミクスの成功となるが、現在のところは日本経済全体では物価高騰に追いついていない。また経済力自体が労働力不足で限界に直面しつつある。人口流出の激しい地方では、そのインパクトは全国平均よりも大きなものとなっているだろう。

2月実質賃金は前年比‐2.0%、22カ月連続マイナス(2015/04/03ロイター)


安部政権は「地域創生」で商品券を配るというが、20年後に確実に人口減少する地域で商品券を配っても、土着商店の一時しのぎにしかならない。


どこかにいないものか?

安くてきつい仕事を一生やってくれる貧乏小作人みたいな人は。南部の黒人奴隷のような人材をあなたは追い求めている。

「誰かやってよ!あたしの息子にそんなことさせないけど!」あなたの叫び声が聞こえる。


外国人の技能実習・研修という本音と建前


例えば、移民政策により日本を多民族国家にして労働問題を解決する。
これは政治的・社会的に無理な話しだ。


■本当に技能研修か?

だが、移民ではなく研修という迂回策で外国人労働力を利用する動きがある。

外国人の技能実習・研修は、スキルを学んで帰国し本国で生かしてもらうという趣旨である。それゆえ「外国人に我が国の現場ノウハウや技術を盗まれてたまるか」と言うなら、そもそも技能実習・研修制度自体をやめなければならない。


   本音=安い労働力が欲しい ←→ 建前=寛大にも外国人にスキルを授ける


  外国人に技能や高度なスキルを教える    ← 制度趣旨に合致

  ついでに単純肉体労働もやってもらう     ← グレーゾーン

  外国人には単純肉体労働だけやってもらう ← 制度趣旨に反する「安い労働力」
   
私は地方農場に手伝いに行ったことがあるが、繁忙期の里芋のトラック積みの人材などは圧倒的に不足している。だが外国人にやらせるのが「イモのトラック積み」だけであるならそれは技能研修ではない。農作業ロボットなど注目を集めているが、それは儲かっていない零細農家による設備投資となるし、機械の泥を落としたり果てしない軽作業があることからすれば、合理的に設計管理された大規模農園でないと抜本的な解決にはならないかもしれない。
   
■文化功労者=曽野氏による人種隔離政策?

文化功労者として国から年金をもらっている国家的人物=曽野綾子人種隔離的な発言をしたのは、実は「外国人の労働力はそれでも必要だ」という観点が根底にある。「せんせえハーフはどこに住んだらいいですか?」という質問を誰もしなかったのは残念だったが。偉大なる文化功労者が「チャイナタウンみたいに居住地を分けてさ・・」と言いたかったのかどうか定かではない。米国都市部では確かにギリシャ系、中国系、韓国系などが集中したコミュニティーが形成される傾向があるが、建国時以来の英国系白人(WASP)のそばに家を建てることが法的に禁止されているわけではない。法的には自由である。だが米国での黒人少年射殺事件での騒動、ウクライナでのロシア系などの分離行動、フランスにおけるユダヤ人襲撃、シーア派とスンナ派の衝突などなど人種間等の軋轢や衝突が過熱人類の共存が動揺している昨今、文化功労者である曽野氏は「ほ~らごらんなさい、ばかね」と言いたかったのであろうか?保守の重鎮として年金分くらいはどしどし日本保守本流の発言を堂々と世界に向けて発信してもらいたいものである(すぐに引っ込んだね・・この税金食い文化功労者)。
曽野綾子氏、移民について「居住地だけは別にした方がいい」(2015/02/12J-cast)
*曽野綾子氏は、作家で日本財団会長、日本郵政社外取締役を歴任している保守重鎮である。また夫も文化功労者である。


■ずるずると違法労働へ

いずれにせよ労働者として権利保障のない労働力の創出(研修外国人)いう日本人のイノベーションというか建前は、人道的歪みをもたらしていくだろう。バブルの頃には違法も含めてブラジル人労働力もあてにしたが、バブル崩壊後には冷たく追い出している。正直いって、インターン制度もそれほど発達していない日本で、どうして研修実習をやりたがる寛大な日本企業が多いのか?余裕があり余り貢献したいのか?



それは安い労働力が欲しいからだ。社長!そうでしょう?


この問題は、本音と建前の乖離が平気な日本にとって後で大きな根を残すだろう。寛大にも外部や外国人にスキルやノウハウを放出したいのではなく、「安い労働力=筋肉」が欲しいだけなのは多くの日本人が薄々わかっているはずである。どうも「仕方がない」と言ってもどんな不当も見て見ぬ振りをしてしまいかねない。日本人ですら過労死させたりする日本人経営者がどんな手段に走るか。見物ではないか。日本人でなければ人でなしという国土においてどんな扱いを受けるのか。違法労働が蔓延することは必至だ。またサウジアラビアではフィリピン人使用人が虐待される事件がよくある。アジアのプランテーションでは流民を活用した違法酷使が問題となっている。同じような状態になるのであろうか?まあ、お前もアルプスの少女ハイジではなくアジア人だからな。
農家、JA、農水省が外人を奴隷にしてる…時給300円で農作業する研修生
「レタス長者」の川上村 実態は中国人実習生に過酷労働強いる「ブラック農家」?(2014/12/04J-cast)
カキ産地江田島8人殺傷事件に見る 中国人実習生の悲痛な叫び(2013/04/26日本新華僑)
経済・産業:雇用 水産加工、外国人頼み(2015/03/06毎日新聞)
茨城・はさき漁協、外国人実習生を受け入れ 人手不足補う(2015/03/27日本経済新聞)
外国人労働者の拡大提言 自民、技能実習を延長し5年に(2014/03/27朝日新聞)
介護不足は労働移民で解決? 「介護職は専門性高い」との指摘も(2014/02/18オルタナ)
介護人材があと100万人足りない!ケアの現場で待ったなし「移民」への道(2014/10/29ダイヤモンド)

過酷労働の悲劇! 外国人の技能実習生2万5千人が失踪(2015/3/7産経新聞)

過酷労働、困窮訴え ヤギ盗んで食べたベトナム人技能実習生(2015/02/28 47news)


ところで、移民は頑強に認めないという日本に見えるが、英国紙などからは「男性サラリーマンの夜の相手をするダンサー資格を称する外国人女性はほいほいと簡単にビザを発給して入国させるくせに」と揶揄される。「褒めてくれないシニカルなイギリスなんて大嫌いだああ、賞賛してくれる青い目の金髪のエリーのような白人を大歓迎」「誇りがないと生きていけないんだああああ」そういう賞賛に飢えた劣等感の塊の民族精神が聞こえてくる。ロシア人が世界の賞賛を求めているだろうか?パキスタン人は?イラン人は?オランダ人は?フィンランド人は?賞賛など求めてなさそうである。自画自賛する民族はいるが他者の賞賛によりかかったりしていない。この点、確かに日本人はユニークである。
*圧迫面接が大好物のサディストなのに民族としては褒めてもらいたいくてたまらないのか?ユニークだ。


人口問題は克服できるか


■更なる過労死か、極端なプロセス合理化が求められる

ところで過労死(英語ではkaroshi)という問題は、労働慣行面もあるがバブル崩壊後に正社員雇用を拡大せずに労働時間を長期化したことが遠因としてある。算術としては、200人で100時間働くのと、100人で200時間働くのは経済的には同じインプットだからである。現状維持するなら、労働時間長期化は必至であろう。あなたは算術から逃れられない。


雇いたくても人がいない状況になればどうするか?


 ①事業規模を縮小する  → レバレッジ縮小となり経済縮小=下げ潮
 ②更なる労働時間長期化 → 過労死更に拡大

 ③極端なプロセス合理化 → 相思相愛で自然形成された労働慣行の破壊的変革が必要


愛国のためにガダルカナル島で餓死し、愛社のために過労死するという誇り高き日本文化論にこだわるなら、②更なる労働時間長期化(過労死更に拡大)というコースになるだろう。


私は③へ移行することを検討した方が良いと思う。
戦後に出来上がったのび太君世界を焼け跡のように破壊してしまった方がいい。