「ここにいちゃいけないよ」
——虫が苦手な娘が、小さな命に語りかける理由
蜘蛛が大の苦手な娘が、
家に入ってきた小さな虫に、そう優しく語りかけていました。
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怖くて、本当は触りたくもないはずなのに。
彼女たちは、家に入ってきた虫を、決して殺しません。
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窓を開け、ティッシュでそっと誘導し、
時には紙に乗せて、外の世界に返そうとします。
その姿を見ていると、不思議な気持ちになります。
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怖いのと、助けたいのと、その両方が心の中にある。
彼女たちの世界では、それは矛盾しないのです。
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そんな彼女たちの姿を見て、
中学生のときのことを思い出しました。
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ある式典で、校長先生が壇上から誇らしげに言いました。
「我が校から、こんな優秀な生徒が出ました」
こんなビルをたてた、この会社の社長になった
女性で初めての、議長になった、などなど
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帰宅した娘が言ったのです。
「わたし、転校したい。。。
優秀な生徒を自慢する校長先生より、
道端の踏まれそうな花を救う生徒を自慢する、
そんな校長がいる学校に移りたい」
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私たちはつい、「優秀」かどうか、
「役に立つ」かどうかで、物事の価値を判断してしまいます。
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でも、彼女たちの世界は、
もっとシンプルで、もっと本質的
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命は、ただそこにあるだけで、価値がある。
優秀かどうかは、関係ない。
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虫に語りかける彼女たちは、私に本当に大切なことは何かを、
いつも教えてくれているようです。