発達障害の双子と引っ越し
明日からまた寒くなる?いや、暑くなる?毎日忙しい気温の乱高下の中、今日も来てくださってありがとうございます。
今日は引っ越しの話。引っ越しは人生の大きな変化の一つですね。もちろん進学も大きなことですが、引っ越しは、その時に流れが全くストップし、ありとあらゆるものが新しくなる、しかも家族ごと、、これは大変なことです。
今まで、自閉スペクトラム症ですと、変化や不意のこと、予測できないことがパニックを引き起こしたり、不安を引き起こすとこちらにも書きましたが、引っ越しは、その最たるものです。
引っ越す前の家の中が、毎日の片付けでドンドン変わっていきます。見慣れた光景が毎分、毎時、毎日変わっていくのは、彼女たちには、本当に負担です。
慣れていく前に変化が訪れるわけですから。そして、こちらも忙しいので、適切な声掛けができなくなります。自分のものをダンボールに詰めて、、と簡単に言っても、彼女たちには、それはとても難しいことです。
よく言いがちな、、
「この際、もう捨ててもいいというもの、着られないもの、もう使わないものは、捨てていきましょう」
なんて言葉、彼女たちには、全くわかりません。判断基準がないからですね。
どうやって「もういらない」というレッテルを貼ったらいいのかがわからない。1年使わないものは、とか、丸2年着ていないものは、とか具体的でないと
わかりません。
また、とても今まで思い入れがあって集めた人形たちは、箱の中で重ねられません。これは彼女たちの想いであり、「何言ってるの!忙しいんだから、ぱっぱと入れちゃいなさい」なんてとても言えません。というより、その気持ちがまさしく彼女たちなんですから。
一時が万事、この必要、不必要の判断が大切、鍵になるのが引っ越しですね。何から?どこから?どのぐらい?本当に彼女たちには酷な作業です。私が分身の術を使いたくなる時です。
私も決して得意ではないのですが(妹を見ていると、段取りもいいし、私の苦手ぶりが目立ちます)彼女たちは、それが生理的にできない、わからないので、こちらも知恵を絞りますが、絞りきれません。自分もテンパってくるので。
そして、とうとうその日がやってくると、引っ越し屋さんが大勢やってきます。知らない人ばかり。自分たちの家の中がいつもと全く違う様相になっているところに、知らない人、、もう最悪ですね。
2年前の引っ越しでは、Hは部屋の隅でまるまって震えて耐えていました。業者さんもわかってくださり、私が終えきれていないところは、残していきますよっておっしゃっていましたが、その彼女を見て、「大丈夫、やりますから」って言ってくださった。助かりました。こういう理解が本当に助かるのです。
そして新しい住まい、これがまた大変。彼女の部屋だけ、とにかくベッドの設置だけでも、、、とテント付きのものを設置して彼女はそこにずっと籠って、引っ越しの嵐が過ぎるのを待っていました。 業者さんはもちろん大勢いらっしゃるし、奥さん、これはどこですか?もうこの部屋には入れられませんよーなんて大声も聞こえてくるし、ひたすらテント付きベッドに。
テント付きというのは、海外のグッズで、ベッドごとそのテントに入れられるようになっており、寝台車のようにジッパーを閉めれば小さな個室になり下界から隔離されたようにこじんまりとするものです
かくれんぼ状態ですね。
業者さんが帰ったら、段ボールの山。なるべく早く開けて通常になりたい私。が、しかし、急激な変化は、彼女たちには受け入れられません。なので、少しずつです。彼女たちにとっては、毎日景色が違う。。。ちょっとずつ違う。いつまで経ってもそれが続く。落ち着かないだろうとわかっていても、片付けないわけにはいきませんしね。
Hは1年ぐらい、前の家がまだ「うち」だと思える、、そう言っていました。1年半経った頃、現在の家に対して「うちに帰ってきた気がする」と帰宅時に言い、ほっとしたことを覚えています。
Nは間も無くマンチェスターからロンドンへ引っ越しをします。留学生として海を渡り ケチケチ生活で頑張ったので、荷物は最低限だとしても、きっと不安だろうと想像しています。彼女たちの引っ越しは 全ての困難が一緒に来る一大事で、それはちょっと私には想像ができないほどのことのようです。
上記は、彼女が使っているものと似ているものです。マットごと中に入れます。
そして直近の親子対談は、こちらです。お近くの方は是非、また、録画配信も致します。お申し込みをお待ちしています。