昨日うつ病についての講演を行った。せっかくなのでよく質問を受ける、うつや新しいタイプのうつについて述べていくこととする。
現在の社会では社会的環境変化によるストレス増大や診断基準の普及、若い世代での増加もありうつ病患者さんの数は増え続けている。少し前に話題になった新型うつについても考える。


 
うつ病の病態説明の1つとして、モノアミン仮設と呼ばれるものがある。セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミンなどの神経伝達物質を総称しモノアミンと呼ぶが、上の図の通り、これらが減少することで様々なうつの症状を引き起こすというものである。

ノルアドレナリンは、神経運動活動や欲動に関係し、セロトニンは気分の高揚や不安、焦燥、不眠に関係し、ドパミンは快楽に関係しているといわれている。うつ病では、これら脳内神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンの分泌にバランスの乱れが生じることが原因のひとつと考えられており、特にセロトニンの減少により不安、焦燥感、気分の落ち込みなどが顕著に現れるのではないかといわれている。

また、うつはその原因によって外因性、内因性、心因性に大きくわけられる。ただ、今はアメリカ精神医学会が出しているDSMと呼ばれる診断基準に準じて病名検討がされることが多く、原因が重要視されない風潮もある。
実際ある医局の若手の先生と話した際、外因性ってなんですかと聞かれたこともあり、驚きを隠せなかった。

話が脱線したが、外因性うつ病とは、うつ状態を来すような身体の病気や変化などによるものをいう。代表的には脳の病気や甲状腺の病気、ステロイド系などの薬剤が挙げられる。

内因性うつ病は一般に世間で考えられているような典型的なうつ病で、脳の器質的な問題によって起こるものと考えられている。突発性で、治療により一定の期間で回復することが多い。統合失調症や躁うつ病なども内因性に分類される。躁うつ病は最初にうつ病として扱われることが多く、途中で躁状態になる場合などがあり診断が変更されることが多い。

心因性うつ病とは、性格や環境、心理的ストレスがうつ状態に強く関係しているといわれている。抑うつ神経症と呼ばれることや、環境の影響が強い際は反応性うつ病とも呼ばれる。


下記に挙げる新しいタイプのうつは、これらの外因性、内因性、心因性では説明できないとされるうつである。職場では抑うつ感を訴え、それ以外の場面では元気に遊ぶ若年層のことを新型うつ病と呼ぶこともある。

職場にのみ関連したうつ状態の多くは、適応障害、パーソナリティなどが関連するといわれている。


 

これらの具体的な特徴や対処法・治療については、次回以降で述べていく予定である


ランキングに参加していますので、宜しくお願いします。
人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 精神科・心療内科へ