今日の秋田弁は、夏に嬉しい『塩鮭』についてです。
秋田では、いわゆる塩鮭の事を『ボダっこ』とか『しょびぎ』等と言います。
概ね、県央から南部にかけては『ボダ』『ボダっコ』と言い、県北部では『しょびぎ』と言う傾向にあるようです。
もちろんあくまで傾向ですので『おらえは、県北だども・・・“ぼだ”って言う』とおっしゃる方もいるでしょう。
言葉の枝分かれの背景には、長い歴史の中で、嫁いでくる方々が 花嫁道具と共に、方言を持ってくる場合もあるでしょうし、様々な要因が考えられます。
さて、『ぼだっこ』の語源は、塩に漬けた鮭の身は、イノシシ肉、即ち『ぼたんのように鮮やかになる』ところからという説があります。
濃い塩が、綺麗に浸透した鮭は、それはそれは 色鮮やかになりますので、この説は正しいのかもしれませんね。
そして、『しょびぎ』の方ですが、これは『塩引き』という“塩漬けの製法”を指す言葉が訛ったもので、鮭そのものことではありません。
おそらく、昔っから、鮭は塩漬けにすることで日持ちがし、その利便性から重宝され、いつしかこの製法が代名詞となり、“塩漬けの鮭”そのものの名前になったのだろうと思います。
どちらにしろ『鮭』そのものを指す言葉ではない所が面白いですね。
使用例: 『お・・・ 今日のおかず“しょびぎ”が? いいな』
『あっちために、“しょびぎ” やでみだ』
『わ~~ 今日のおかずは、塩鮭なの? いいね~~』
『暑いから、塩鮭を焼いてみたの』