4月7日、荻窪・ドクターズバーで、寸愚良とヒロウエキ&Gentle Horseの

ジョイントライブ、「春は赤兎馬に乗って」をやって来た。この日の東京は、

満開の桜。花見ではなく、こちらに来てくれたお客さん、店主の加藤さん、

対バンのヒロウエキ&Gentle Horse の皆さん、そして、我が寸愚良の

谷口カズヒトさん、ソメさん、本当にありがとう!

 



 先攻は寸愚良。昨年6月に結成し、この日は二度目のライブ。

旗揚げライブも感動したけど、二度目のライブは味が出て来て、

少しずつ、寸愚良の音が、向かうべき方向がわかって来た気がする。

前夜もスタジオで練習し、アイデアを出し合ったり、曲順を組み替えたり、

試行錯誤しながら臨んだライブ。谷口さんの力強く、色気のある声に聴き惚れ、

ソメさんのギター小僧さながらの研究熱心で、ワクワクする音にもグッと来た。

 



 息が合ってきたなぁ、と感じたのは、「雨になるよ」で、私がラットルを

忘れたのに気づいた時。元夫と同じケニアのルオ族のミュージシャン、

アユブ・オガダのこの曲に、ルオの魂が宿っているのを感じて日本語の詩を

付けた、と話し、イントロが鳴り出してから気づいた。無しで済ますか。

いや、音が淋しいな。よし、行こう。ステージから歩み出す。

 

 ソメさんがリフを弾き続けてくれたので、助かった。幻想的なリフが流れる中、

ルオの精霊に守られたシャーマンのようにお客さんの中を歩き、腕をゆっくりと

伸ばすと、サーッと道が開けた。ラットルを手にし、鳴らしながらステージに

戻った。谷口さんの歌との呼吸もバッチリで、前よりもっとこの曲を自由に

歌えた気がする。

 

 

 

 新曲の「デカンショ気質」は、寸愚良でやりたいと思って、書き下ろした曲。

谷口さんとソメさんのユニット、阿呆ノ匙が、「オッペケペー節」や

「ダイナマイト節」など、明治の壮士演歌を取り上げていたのが印象的で、

そうだ、共通のテーマに明治があるじゃないか、私も何か作ってみよう、

と、上っ面ばかりの文明開化に異を唱え、明治の書生達から湧き起った

蛮カラをテーマに作った。デカルト、カント、ショーペンハウエル!のサビも、

三人で歌えば、なお楽し。「雨の日の寸愚良」も、一緒にやろうと思わなければ、

生まれなかった曲。

 

 

 前に作った曲も、寸愚良でやることで、新たな光が当たる。

「母恋唄」に心が震え、「世界の終わりに」「中に、来て」に心が燃える。

共通のテーマである朝鮮民謡も、私の第二の故郷、アフリカの曲も、

日本語の詩を付けて、一緒にやれるのがうれしい。

 

 

 

 ヒロウエキ&Gentle Horse は、大好きなバンド。私も、ヒロウエキさんも、

普段は、ギター弾き語りのシンガーソングライターで、一人でやっているけど、

こうして、年に1~2回、バンドで集う。ヒロウエキさんのバンドは、2017年に

出したアルバムの頃から一緒にやっているので、そのキャリアは音にも出ていて、

バンドサウンドも、バシッとキマッている。

 



 ヒロウエキさんという人は、爽やかだが、強靱なバネのような所がある人で、

汗や泥にまみれても、まばゆい白を保っているような人だ。ちょっと天然な所も

愛されるゆえんで、エレキギターの阿部靖さん、ベースの片平ツヨシさん、

パーカッションの戸谷兼人さん、ピアノとマンドリンのじゅんや人情さん、

皆、彼の人柄と楽曲を愛し、盛り立てる。

 



 ヒロウエキさんの曲は、バンドで映える。真っ直ぐに届く詩や声の力に加えて、

リズムも多彩で、飽きさせない。彼のアメリカでの実体験を元にした三部作、 

「New Orleans」「Carnival」「グレイハウンドバスに乗って」は、思わず、

体が動き出し、踊ってしまう。かと思うと、「すばらしい世界」のように、

昭和の、日本が貧しかった時代の童謡のような、秋の夕暮れに泣き出しそうな

メロディーに乗せて、今のこの歪んだ世界、悪意ある情報が流れ、差別や偏見や

憎悪がはびこる世界に、惑わされないで、と手を握るように歌う。

 



 仲間っていいな、一人では気づかないことを気づかせてくれる、と言っていたが、

今回のライブは、すごくそれが表れていた。いつもはヒロウエキさんが一人でやる

「星降る夜に舞いおりた」、今回はバンドサウンドで、ああ、これもいいな、と

思った。

 

 

 ヒロウエキさんが若い頃に書いた「道」という曲で、

じゅんや人情さんが泣きながら演奏している姿にも、胸を打たれた。

「誰でもいつでも気の合う仲間を 心のどこかで探し求めてる 

果てしなく長いこの道を 歩いていくには友が必要さ」

この気持ちに、人種も性別も国境も無い。

 

 



 さぁ、ライブレポートを書き、やっと花見に行ける。

満開の桜には間に合わなかったが、私にとって、寸愚良と

ヒロウエキ&Gentle Horse のこのライブが、満開の桜。

 

 春は赤兎馬に乗ってやって来た。

 あなたのもとへ、駆けて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photos by 聡美さん、ウエちゃん、りょうこさん、国沢さん、ラビィ

 

 

~蓮沼ラビィ 近日ライブ~

 

 

●4月27日(土)センター南・NAP CAFE

 

『弾き語り夜』

 

開場:17時半 開演:18時

料金:1500円+オーダー

出演:マリリンジェット、オルカ、蓮沼ラビィ、阿呆ノ匙、AZU

 

★出演順(各30分)

①マリリンジェット

②オルカ

蓮沼ラビィ

④ 阿呆ノ匙

⑤AZU

 

🌸ご観覧希望のお客様へ🌸

市営地下鉄センター南駅、東急江田駅まで送迎可能。

専用駐車場も有ります。お気軽にお問い合わせ下さい。

045-507-5951

 

5月10日(金)下井草・Billy's Bar GOLD STAR

 

開場:19時 開演:19時20分

料金:1800円+ドリンク

    ※ドリンク300円Off券付

出演:風太、Yozi Fz、きくらげ、蓮沼ラビィ

 

19:20頃~ 風太(ex.吉野もぐら)

20:05頃~ Yozi Fz

20:50頃~ きくらげ

21:35頃~ 蓮沼ラビィ

 

●6月16日(日)蒲田・オッタンタ

「池たこ倶楽部ライブ」VOL.80

開場:16時 開演:16時20分
料金:1500円(1ドリンク付)

出演:池たこ倶楽部バンド、蓮沼ラビィ、他


●6月30日(日)亀有・KIDBOX

 

浦邉力プレゼンツ『亀有視聴覚室〜僕らは禁断の実をかじった〜』Vol.3

開場:17時半 開演:18時
席料:3000円(2ドリンク付)
出演:敏、蓮沼ラビィ、浦邉力

タイムテーブル

①18:00~18:45
②18:55~19:40 浦邉力
③19:50~20:35

①と③は、当日、ジャンケンで決まります。