3月10日、地元蒲田のオッタンタの「Remember 3.11」で歌った。
能登半島地震の被災地支援の募金箱が設置され、チャリティー
オークションや、東北特産のお酒や食材を使ったフードもあった。
16時から22時まで、たくさんのミュージシャンやDJが出演。
私は仕事から直行で、20時前に到着。ちょうど、チャリティー
オークションをやっていて、年代物のカメラや音楽機材や化粧品
などが出品され、ハート型のサウンドホールのギターを落札した
ミュージシャンが、直後のライブで使って、ベンチャーズのリフを
弾いてくれたりして、楽しかった。
私は、最後に出演。20分の持ち時間なので、4曲に。
「ぼっけもんの唄」で斬り込み、「墓には入れないよ」で情念を醸し、
「家でテレビを観ているよりも」と「3.11に生まれた友へ」で、
直球ど真ん中に。ワッと湧いたり、叫び声が上がったり、
お客さんの反応がワイルドで、うれしかった。
オッタンタ店主のクリタチカコさんがリクエストしてくれた
「家でテレビを観ているよりも」は、東日本大震災直後の、まさにこの蒲田での
チャリティーライブがきっかけで作った歌だ。あの時は横並びの自主規制で、
だけど、家でテレビを観て震えているよりも、何か行動を起こしたくて、
友人達と、バングラデシュ人のマスターがやっている蒲田のカレー屋で
チャリティーライブをやると、まだ余震も残り、電車も間引き運転の中、
思いがけずたくさんの人が集まり、節電の薄暗い店内で、歌やギターや
太鼓で集って、原初の力が蘇るのを感じた。
ライブの後、まだ家に帰りたくなくて、一人で、ナイジェリア人のマスターの
やっているレゲエバーに立ち寄ると、日本人だけでなく、ガーナ人、アメリカ人、
ベトナム人、インド人、マケドニア人、フランス人、蒲田中の外国人が集まった
のかと思うほど、いろんな国の人がいた。異国の地、日本で大震災に遭って、
みんな、心細かったんだと思う。家でテレビを観ているよりも、人に逢いたくて
集まって来たのだろう。
私のギターを回して、みんなで歌った。私も、自作の「二人で店を持とうよ」を
歌うと、日本語のわからない外国人も、体を揺らし、声を上げて喜んでくれた。
歌の意味はわからなくても、歌の心は届くのだと知った。家に帰り、その余韻が
残る中、膝を叩きながら作ったのが「家でテレビを観ているよりも」。
心に湧き上がるまま、15分位で作った。
そんなことを思い出しながら、この日、歌った。
忘れかけていた原点が蘇った。
『家でテレビを観ているよりも』と『革命家の休暇』、CDが3枚売れたので、
全額、能登半島地震の被災地支援の募金箱に寄付した。
後日、店主のクリタチカコさんから、オークション¥14400、募金箱¥18632、
合計３３,０３２円を、震災直後から炊き出しなどの支援を行っている、NPO法人
「ボンド&ジャスティス」に送金したという報告が、振込明細・受領書と共に
あった。私も、これまで個人的に寄付をして来たが、みんなの力が集まれば、
もっと大きなことが出来るんだな、と改めて感じた夜だった。
チカコさん、皆さん、本当にありがとう！
そうだ、東日本大震災被災地支援の東北のフードやお酒、岩手の白ワイン
「五月長根 リースリング・リオン」というのが、ビックリするほど美味かった。
宮城の春摘みわかめのサラダや、私が慰問ライブに通った福島の、浪江焼きそば
というのもあって、チカコさんが、肉やもやしをたっぷり入れて炒めてくれて、
美味しかった。
浪江を歩いた時の光景、倒壊した家屋、津波で農地に埋没したままの車、
雨に濡れながら草を食む牛達が蘇り、あの浪江が、少しずつ復興して来て
いるんだな、とジーンと来た。
今年はまた福島へ行くぞ。懐かしいみんなに逢いに。
～蓮沼ラビィ 近日ライブ～
●４月７日（日）荻窪・Doctor's Bar
ヒロウエキ＆Gentle Horse×寸愚良 Joint Live
「春は赤兎馬に乗って」
開場：１７時 開演：１７時半
料金：２５００円＋1ドリンク
１７：３０～１８：３０ 寸愚良
１８：４５～１９：４５ ヒロウエキ＆Gentle Horse
◆寸愚良（すんぐぅら）
アフリカ帰りの任侠ブルース蓮沼ラビィと、古今東西の埋もれた名歌を発掘し、
魂をふり絞るような声と圧倒的な表現力で蘇らせる谷口カズヒトのうた、
ソメのギターの阿呆ノ匙。三人が出会い、2023年に結成。
オリジナル、アフリカ・朝鮮民謡に独自の日本語詞を付けたものを歌い、演奏する。
寸愚良とは兎なり。愚かとははみ出す力。一期の夢を、歌い、弾き、踊れ！
蓮沼ラビィ：歌、ギター
谷口カズヒト：うた
ソメ：ギター
◆ヒロウエキ＆Gentle Horse
2017年にリリースしたヒロウエキの1st. Album「Uekimg Life」の
レコーディングメンバーで結成。ヒロウエキ(Vo, G, Harp) 阿部靖(G)
片平ツヨシ(B) 戸谷兼人(Per) じゅんや人情(P, Mandolin)の５人編成。
2023年に正式なバンド名として、Gentle Horseと決定。
R＆R, Folk, R＆B, Soul 等、アメリカン・ルーツ・ミュージックの影響を
受けた曲。日常の中での様々な思いや、かつてアメリカを放浪した実体験から
生まれた歌、最近では社会的なメッセージを込めた歌などを歌っている。