ルカ・グァダニーノ監督の最新作は、日本ではとうとう配信スルーになってしまう。この現実をヒシと受け止めて鑑賞する。そういえば、MGMってAmazonに買収されたもんなぁ…ドラマ「ザ・スタジオ」で言ってたよ。ということで、このMGM作品はAmazonPrimeにて配信中。
告白と沈黙。声をあげることは規律を乱すと嫌がるくせに、声をあげないおとなしい若者を指摘する大人は、本心を隠す処世術をこなしていく。目上という身分は万事許されるのか。声をあげることを恐れるのは罪なのか。ハラスメントの苦しみからの解放を望む若者はついに声をあげる。
それが復讐心ならば咎められる昔ではなく現代社会では弱者側は守られる環境が育まれている。では守られなかった、糾弾された加害者は排除していいのか。いいわけがない。加害者側にも人権はあり、逃げ道は確保されるべきである。分断ではなく共生こそ社会のあるべき姿。どこかで折衷する現実、抑圧から解放に向けたベクトルの継続こそ望ましい社会ではないだろうか。
大学教授アルマ(ジュリア・ロバーツ)と生徒マギー(アヨ・エデビリ)の対比がジェンダー意識におけるジェネレーションギャップと承認欲求という強迫観念をないまぜにしてサスペンス要素に転化している。今ここにいる自分は正しいのか、それとも過ちを犯しているのか、それは局面の脆さ、時と場所によって解釈を反転できてしまう不均衡こそ心理的危機を招く展開を見せている。
衣装や美術による隠喩が随所に張り巡らせている今作は様々な考察が駆けめぐる。まるで今作の舞台となる"大学" 同様、ルカ・グァダニーノ監督の講座を拝聴しているようだ。こうなると何度でも観たくなる。
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