「バッド・エデュケーション」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

実際に暴露されたロズリン学区での巨額横領事件。富裕生活を得る将来のための教育は果たして人を幸せにできるのか、教育者が拝金主義に溺れるのは罪なのか、金銭によって人々が狂奔する愚かさを描いていく。U-NEXTにて配信中。

 

ヒュー・ジャックマン演じる人気教育者フランクが良識人と裏の顔を兼ね備えている。私見として、ヒュー・ジャックマンという俳優は英雄や善人よりも如何わしい曲者役の方が性に合ってる。「フロントランナー」や「プリズナーズ」のように倫理観が欠如した人物を演じるのが上手い。今作はそういった意味でキャスティングが見事にハマった作品であろう。

 

騙す側と騙される側、追求する側と隠蔽する側、学歴社会に感化される人々は日毎邁進する優秀学校に心酔していた夢見心地から手のひらを返すように被害者の立場で糾弾する不合理を突いてくる。エリートに固執する教育方針は本当に正しかったのか、優劣にこだわったのは教育者だけではなく保護者も加担した集団行動であったはず。ラストはそれを象徴する皮肉を込めた名場面によって帰結する。

 

学生新聞の記者レイチェルがこの不正に初めて気付くのだが、インサイダー取引の疑惑がある彼女の父親と尊敬するフランクの立場が逆転する構図がもっと効果的に浮き彫りになる挿話を重ねていくべきだろう。人は見かけによらぬもの、"偏見" という感情はノイズでしかないという主題は至極納得できる。

 

上昇志向へと導く教育では失敗や過ちに対する処方を看過する。そればかりか、改ざん・隠蔽・廃棄する。エリートと呼ばれる日本の官僚(の一部)、そして愚かな為政者の所業はここに要約される。ある意味分かりやすい思考であり、情けないほど愚鈍な行動である。同情するなら金をくれ。まだ欲しいか、というか同情してないよ。

 

余談。フランクの相棒パム役のアリソン・ジャネイもいいね。フランクとパムのランチ場面は秀逸。ここで作品として見定める方向がバシッと決まってる。これ大事。

 

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