「タイラー・レイク -命の奪還- 」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

Netflixにて配信中。クリス・ヘムズワース主演のアクションは中盤の(擬似)長回しショットで視聴者をグイと引き寄せる。さすが、スタントマン出身のサム・ハーグレイブ監督、"痛い" 描写が上手い。近年のアクション作品はスタント技術や音響技術、カメラ性能の進歩で表現の幅が広がっている。ダッカの街を縦横無尽に疾走する映像がお茶の間で堪能できるのは喜ばしい限り。

 

ただ脚本として人物造形が浅い。主人公タイラーのフラッシュバックは多用気味、そこでテンポ悪くしてる。そういう演出ではなく "形見" 等視覚に訴えてくる小道具を使って現在進行形の人間ドラマを展開して欲しかった。タイラーが守る麻薬王の息子オヴィの現状把握もすんなりとスルーするので、そこは正体不明の恩人タイラーとの衝突がもっとあった方がいいだろうし、麻薬王の部下サジュとの同盟も強引やっつけ感否めない。そこ丁寧に挿話重ねていけばいいのに、と感じる。

 

そんな物語の荒さはあっても主演クリス・ヘムズワースの魅力で作品をカバーしている。「ターミネーター2」「レオン」の系譜を汲む "命を張って守ってくれるおじさん系" をしっかと演じてます。ラストはサム・ハーグレイブ監督が語るように、見ている側それぞれの解釈で物語が帰着できる余韻を残している。ありふれたハッピーエンドやバッドエンドではない含みを持たせた演出が功を奏している。

 

この物語の中核となる傭兵チーム、リーダーの西アジア系女性の颯爽とした風貌もいいが、前半見どころとなる "髭もじゃスナイパー" がカッコイイ。誰やろ?知らん役者やなぁと調べると、サム・ハーグレイブ監督本人でした。結構おいしい役どころです。ある意味ずるいよ。

 

-------------------------


ここまで読んで下さってありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、
↓下をクリックしてください。よろしくお願いします。


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

 

クリス・ヘムズワースはコメディもノリノリで演ってのける芸達者。女性ファンはご注意を。ガッツリ下ネタで登場するでよ。

お! バカんす家族 [Blu-ray]

お! バカんす家族 [DVD]