「スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

 

泣いても笑ってもこれが最後。ネタバレ必至なので、鑑賞後もしくは鑑賞しない人に向けて述べていきます。しかも愛すべき作品故の悪評。

 

 

昔々初めて触れたルーカスの世界観はもはやディズニーのものである。約40年の歳月を経た9部作の締めくくりはスカイウォーカー家とパルパティーン家の世襲にまつわる壮大な物語として完結する。スピンオフや新三部作があろうと私はこれ以上は見ないであろう。ディズニーの算盤弾く音が聞こえると、どうも食指が動かないのだ。

 

当初の監督降板を経てのJ・J・エイブラムス監督再登板。「フォースの覚醒」は私も好きなのでこれはもしや面白いかも?いや土壇場の交代劇を任されると完成度低いかもなぁと交錯する思いがあった。よし期待するハードル下げようじゃないか、結構物語の風呂敷ひろげちゃったもんね、うまくまとめ上げたら匠だよ、と劇場に足を運んだのだが鑑賞後帰りのお客さんの反応が私同様暗い、思い過ごしかもしれぬが、こんなんちゃう、こんなん求めてへんねん、と心の叫びが垣間見えてくる。

 

"娯楽活劇" にも関わらず説明的台詞が多い。"言葉" で物事を解決してる、"動き" による表現が乏しい。見せ場が過去作の焼き直しという印象を拭えない。このシリーズの根底にあるフォースの理念も薄い。「フォースの覚醒」からの新しい登場人物フィン、ポーの魅力も減少、前作活躍したローズも大人しいので、いったい何処で物語がハネるの?登場人物全員が終幕に向けて事務的に動いている様子。とはいえ主役はレイとレン、この二人の駆け引きが主軸。しかしひたすらチャンバラに終始、見所は予告映像にあったレイのバク宙とダース・ベイダーのマスクが転げ落ちるトコのみ、画としての面白みがここで使い果たしてしまっている。だってお母ちゃんの "心の叫び" でレンは改心するんだよ、ここでも "言葉" だけで事済まそうとしている。お父ちゃんや師匠の犠牲はなんやってん!そもそもあんたなんで暗黒面に入ったの、おじいちゃんの憧れだけかいな?と憤慨したくなる。あ、ルークの謀殺未遂もあったよね。

 

クライマックスはパルパティーン爺が過去の失敗(若者を怒りや憎しみで暗黒面に勧誘)を懲りずに反復してる有様。それが無理だと気付いた途端、若者の生気を吸い取って己が復活するって結果オーライな手際の悪さ。盛り上がろうとする観客の熱気をグングン冷ましてしまう。もうねレジスタンスのピンチもわかってるんだよ、助っ人が来るって。だってミレニアムファルコンそこにおらへんやん、ワクワクしないのは脚本がよろしくない。そこはレジスタンスの抗戦とレイ&レン、そしてミレニアムファルコンの三つの場面をカットバックで見せていくべき。アップが多い撮影も奥行き感を失って冒険心を一向にくすぐらない。

 

最後の台詞もダメダメ。通りすがりの人に自分の姓を尋ねられて "スカイウォーカー" を名乗るなよ、そこ両親を想うならば "パルパティーン" でしょ、ルークも暗黒面に陥った父親を敬ってたやん、そりゃパルパティーン爺は救いようのない非道っぷりやったけど両親は同じ姓でも自己犠牲で守ってくれたよね、そう考えたら両親の姓と決別するの合点いかぬ。欲言うならば、"砂漠(デザート)" って名乗ってくれたら "おおお用心棒やん桑畑三十郎やん" クロサワオマージュって映画好きは納得するで。ん?クロサワ知らんかったらわかりにくい?そういうトコから映画の魅力にハマるんちゃうの?かく言う私が小学生当時に黒澤明知ったのスターウォーズからやもんね。ルーカスに感謝。

 

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