アメリカで自営業を営む80歳を越える老女マリア・アルトマンはオーストリアの美術館が保有するクリムトの名画「黄金のアデーレ」を返して欲しいとオーストリア政府を訴える。彼女の叔母の肖像画でもある名画は第二次大戦中にナチスによって奪われた過去があり、正当なる持ち主に返して欲しいという主張はまだ実績がない若手弁護士ランディと共に奮闘することになる…
実在するマリア・アルトマン役のヘレン・ミレンの存在感がこの数奇なる人生を背負った老女を物語の主軸として好演。戦争という愚行と権力という抑圧に逃避、対決する人間ドラマとして描かれる。
この作品、教科書通りの物語構成に終始する。主人公マリアと駆け出し弁護士ランディのバディムービーは綺麗な塗り絵のごとく一定のリズムによって展開する、それが物足りない。枠からはみ出した色使い、不定期なるリズムが物語に深みを持たせるというのが持論。マリアとランディの衝突、和解という掛け合いがお約束事のように見えてグッとこない。これは演出がよくない、二世代も年齢差がある男女の情感をユーモアを交えて描いていけば終盤、恋人にも似た会話を紡ぐ事で盛り上がったであろう、最初の公判前にマリアがランディに渡す飴玉が"それ"につながる小道具ではないだろうか。もっと二人の人物造形に凝って欲しかった。ただこれは実在するご本人に配慮、遠慮したのかもしれぬ、難しい。
ランディ役のライアン・レイノルズやオーストリア人ジャーナリスト役のダニエル・ブリュールなど様々な役者が登場する。とはいっても私はこの二人しか気づいておらず、若きマリア役のタチアナ・マスラニーは米国のTVドラマ「オーファン・ブラック」の主役の女優さん、ナチス将校役のトム・シリングは「ピエロがお前を嘲笑う」の主役の男優さん、と指摘したのは同伴者であるヨメの手柄。スゴい、ヨメの"顔認識能力"はハンパない事が実証される。
出演する作品の幅広いヘレン・ミレンの次回作はドローン戦争を描く「Eye in the Sky」これにはTVドラマ「ブレイキング・バッド」のアーロン・ポールが出演、これまた私は気づかなかった。そういえば「ブレイキング・バッド」はまだ第1話しか観ていないが、ヨメはとうとう最終シーズンに突入する、ところがお世話になってる近所のレンタル屋に入荷の見込みなし。「そんなご無体な…」想定外なる仕打ち。
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