「はじまりのうた」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

はじまりのうた


社会から疎外された人達が再生へと向かう、キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロが共演するこのドラマは米国にて口コミでヒットした宣伝効果もあってか、劇場は超満員だった。確かにその評判を裏切らない、おススメ作品です。

舞台はニューヨーク。人気ミュージシャンとなった彼氏に裏切られた主人公グレタは友人の家に転がり込む。その友人の勧めでグレタは小さなバーのステージに上がり自作の曲を披露するが全く客にウケない。しかしそこに偶然いた風体のさえない中年男ダンに見初められる。音楽プロデューサーだと名乗る彼はグレタを売り込むためにクビになったレコード会社に行くも敢えなく却下、あきらめないダンは資金が無いが、グレタの才能を信じてアルバム作りに奔走することに…

この作品では三つの勇気が描かれる。別離した彼氏の未練から脱却する勇気。破綻した家庭をもう一度やり直す勇気。音楽の力を商業としてでなく本質を信じて協同する勇気。それぞれの局面が見事に昇華していく様は清々しい。キーラ・ナイトレイ演じるグレタの歌声がいい。マーク・ラファロ演じるダンのやさぐれ感が好感もてる。これだけで文句無く作品として成功している。欲言うならば、グレタの彼氏との未練のくだりが多過ぎる。その代わりにアルバム作りのエピソードを増やす事で、バンドのメンバーとのつながり、市井の人々との交流、反発によってグレタの成長を描く展開を見せてほしかった。

ラスト、グレタ達のバンドが奏でる音がNYの街に拡散する壮大さを求めてしまうののは無い物ねだりか、もっと音楽の力で登場人物達の世界を変化させて欲しかった。そういう意味で
彼氏(マルーン5のアダム・レヴィーン)の歌声で幕を閉じるのもいいのだが、あまりに個人の問題へと帰着してしまうのは、結末として物足りない。

途中登場するダンの友人であるミュージシャン、トラブルガム(太っちょの黒人)役のシーロー・グリーンは実在の音楽家。彼がデュオとして参加するナールズ・バークレイ「Crazy」は映画「キック・アス」のレッド・ミストが乗る車中でも流れていた名曲。彼こそ音楽の世界で変わった人物そのもの。余談だが「Crazy」が流れる「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」予告編映像がスゴい。今年の期待作。必ず観る。

----------------------------

ここまで読んで下さってありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、
↓下をクリックしてください。よろしくお願いします。




にほんブログ村