1999年の中国。バラバラに切断された遺体が各地の石炭工場で発見される。主人公の刑事ジャン達は捜査を進めるが容疑者の逮捕に失敗、事件は暗礁に乗り上げてしまう。それから5年後。工場の警備員に職を変えたジャンは、あの猟奇殺人事件と似た手口の犯行を警察が追っている事に気付く。ジャンもまた独自に捜査すると、切断された被害者に共通する恋人の女性ウーという名の若き未亡人の存在を知り、しだいに彼女に近づいていく…
中国で制作されたノワール作品。限りなく削られた台詞、原色を基調とした照明、長回しによる緊張感あるカット、どれもが惹き付けられる。香港発の派手なアクションや韓国特有の過激な残酷描写は無いが、昨年観た中国映画「罪の手ざわり」同様、初期北野武作品にみられる空虚なる心情を映像として上手く表現している。それは現在の中国社会を反映しているのだろう。しかし全編通して、どこに見せ場を持っていくのか私には果たして分からず、推測するに終盤主人公が一人踊るダンスホールの場面がそれなのだろうが、このシーンに至る編集のリズム感に正直うまくのれなかった。私はこの作品に娯楽性の欠如を非難しているのではない。場面として刺激あるが、うまく調和がとれていない、プロットとしてつながるカットの間がしっくりこない。編集という作業がいかに大切か熟考する機会となる。
主人公ジャンは未亡人ウーに惹かれていたのか、それとも私利私欲しかなかったのか、幕を閉じても理解できなかった。グッとくる名場面は確かにある。説明的台詞が無いために難解な箇所があっても一向に構わないのだが、ラストシーンの賛否も含めて、ただ面白いか、面白くないか、と言えば後者となってしまう。そして直言として音楽ダサい。
