「マダム・マロリーと魔法のスパイス」 | やっぱり映画が好き

やっぱり映画が好き

正統派ではない映画論。
しかし邪道ではなく異端でもない。

【ネタバレ】あります。すみません、気を付けてください。

マダムマロリー3


ラッセ・ハルストレム監督の新作は異文化の衝突を通して描く人間ドラマ。フランスの山間部にたたずむ老舗フレンチ・レストランはヘレン・ミレン演じる経営者マダム・マロリーがミシュラン一つ星からもうひとつ星を獲得する為に奮闘している。そんなある日、母国から追われて移住してきたインド人一家が、道を隔てた向かいにインド料理店をオープンさせたことがきっかけでお互いに対立する。インドの習慣に嫌悪を抱くマダム・マロリーは宿敵の息子のハッサンの類いまれなる料理の腕に気付くことになる…

内容はかなりベタなカルチャーショックを織り交ぜたハッサンの成長物語。目新しくないが、脚本や演出がしっかりいるのでめちゃ楽しめる、おススメ作品。各エピソードがうまく絡み合って、ラストはなるほど安心して幕を閉じる。食材が料理の心、決してミシュランの星の数ではない。ハッサンの最後の決断は…最後にAMBLINのロゴがでる通り、そこはスピルバーグ製作臭が漂う。欲言えば、もう一回くらい食材ネタ、インドのウニとフランスのきのこをエピソードに加えたら、より面白い味付けに仕上がっただろう。

モノ申すと、邦題に難あり。マダム・マロリーは主役ではない。真の主役、インド青年ハッサンが異文化の架け橋を料理によって成就させる。原題 The Hundred-Foot Journey は訳すと、100フィートの旅。対立するお互いの料理店の道を隔てた距離が100フィート(30メートル)であり、和解に向かう道へとハッサンが導く。日本の興行を考えると、インド青年が主役として宣伝するのは躊躇したのか?ヘレン・ミレンを前面に出したポスターと邦題になっている。映画ファンとしてこれには首をかしげる。

このポスターを観る限り、女性向けのお洒落な料理モノ、と連想するが「移民」という世界で蔓延する重厚なテーマが根底にある。憎悪の土俵では何も解決しない、この作品からそれを汲み取ることができるか否か、一筋縄ではいかない娯楽作品だと痛感する。

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