両親の突然の交通事故死によって、
真夏の北陸山間部の田舎に戻ってくる主人公は
「私は他の人とは違う特別な存在」と勘違いしている
自意識過剰の女優志望ヒロイン。
帰ってくるなり、焼香もせずに身内に仕送りをねだる
仕事無し、才能無し、同情無しの性悪女。
その横暴を黙認する腹違いの兄。肉体関係のないその妻。
ヒロインのいじめに遭いながらも、その屈折した生活を題材に
ホラー漫画を書き続ける妹。
救われない家族を題材にするが、救われない展開にもうひとつ感が残る。
両親の死によって、若者のみが残された一家にはモラルが壊滅する。
道徳と不道徳、常識と非常識、その振り幅が消滅したので、
ブラックな笑いが成立に一歩届かない。
緊張と緩和、と言ったのは桂枝雀だが、それはここでも当てはまる。
ヘンな人達がヘンな事をやってる、それだけでは面白くない。
マトモな言動が不在なまま、物事がすべり落ちている。
しかるに舞台となる田舎町、
交通手段、コミュニケーション、文明から隔離された空間が
決して観客から共感できないヒロインに迫る疎外感によって
後戻りできない狂気に走らせる事により
更なる高揚へとつなげるラストを結実できたと感じる…惜しい。
主人公の佐藤江梨子、彼女のスタイルの良さがピタッと役にハマり好印象。
もっと狂えば、傑作になる。カッターナイフの「カチカチ」音が
恐怖から笑いに転化するのは、そこなんです。
----------------------------
ここまで読んで下さってありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、
↓下をクリックしてください。よろしくお願いします。
にほんブログ村
