〜資産は運用するだけでなく、信用にも変わる〜

数年前、「やっぱりおカネがあるところに、おカネが集まる仕組みになっているらしい。」という記事を書いた。

当時は住宅ローンを題材に、「現金がある人ほど、あえて低金利で借りて投資を続ける方が合理的な場面がある」という話だった。

最近、その考え方がさらに一歩進んだ。きっかけは証券担保ローンという仕組みを知ったことだ。

証券担保ローンとは、株や投資信託を売却せず、それらを担保に現金を借りられる仕組みである。例えば5,000万円分の有価証券があれば、その一部を担保に2,000万円程度の融資枠を確保できる商品もある。もちろん借金なので金利はかかるが、条件次第では年2〜3%程度で借りることができる。ここでふと思った。

 

これって、やっぱり資本主義のルールそのものじゃないか。

 

資産を持たない人は、教育費や生活費など大きな支出が必要になれば、資産を取り崩すか、高い金利で借りるしかない。

一方で資産を持つ人は、その資産を売らずに担保として活用し、より低い金利で資金を調達できる。

その資金で暴落時の生活費を確保することもできるし、教育費や車の購入費に充てることもできる。さらに、期待利回りが借入金利を上回ると考えるなら、その差(イールドギャップ)を狙って追加投資するという選択肢まで手に入る。

もちろんリスクはある。借り過ぎれば危険だし、相場急落時には担保価値も下がる。だから万能ではない。

それでも、「資産を持つ人ほど、さらに資産を増やしやすい仕組み」がここにも存在することは間違いない。

 

正直、この仕組みを知ったとき、「世の中、不公平だな」と思った。

 

すでに資産を持っている人は、その資産を担保に、さらに有利な条件で資金を調達できる。資産そのものが、新たな信用を生み出している。 これでは、持てる者と持たざる者の差は広がる一方だ。でも、資本主義のルールを私一人が変えることはできない。だったら、せめてルールを知り、その中でできるだけ有利に立ち回るしかない。

 

私はリベ大の両学長から、本当に多くのことを学ばせてもらった。固定費削減、インデックス投資、長期・積立・分散。どれも今の資産形成の土台になっている。一方で、借金については少し考えが違うかもしれない。

浪費のための借金は論外だし、生活費を借金で賄うのも反対だ。でも、資産を売らずに済むための借金、あるいは低金利と期待利回りの差(イールドギャップ)を活かすための借金なら、資産管理の選択肢として積極的に活用してもよいのではないか。最近はそんなことを考えている。

 

ちなみに私自身も今回、証券担保ローンを利用できる環境だけ整えることにした。今のところ借りる予定はない。でも、暴落が来たとき、教育費が必要になったとき、大きな支出が発生したときに、「資産を売らなくてもいい」という選択肢を持っていることには、大きな価値があると思っている。

机上の空論ではなく、自分自身も数週間かけて制度やリスクを調べ、実際に証券会社への資産移管や証券担保ローンの契約まで進めてみた。その上で今の結論は、「積極的に借金をしたい」のではなく、必要なときに使える選択肢を一つ増やしておきたいということだ。

 

なおこの記事は「借金を勧める」ために書いたものではありません。 私自身も実際に借りるかどうかは、その時の金利や相場、家計の状況を見ながら慎重に判断します。ただ、「資産は運用するだけでなく、必要なときの信用にも変わる」ということを知ったのは、私にとって大きな学びでした。

資本主義は平等ではない。でも、ルールを知っている人と知らない人では、長い目で見ると大きな差がつく。資本主義のルールそのものを変えることはできない。だからこそ、そのルールを正しく理解し、自分なりに賢く付き合っていきたいと思う。