『りゅうおう戦!! Machico vs 伊藤美来』 観戦日記 | 残留嗜好

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2018年3月18日、記念すべき一戦が幕を開けた。

決戦の地はパセラリゾーツAKIBA マルチエンターテインメント7F P.A.R.M.S。
りゅうおう戦の冠の元に壇上に集いしは、TVアニメ『りゅうおうのおしごと!』で主題歌を歌唱する二人の歌姫。

多彩かつパワフルな歌声で聴く者の心に寄り添う太陽神。

作中では『攻める大天使』月夜見坂燎を演じる、OP歌唱担当Machico。

可憐で繊細な歌声で聴衆の身も心も包み込む伝説の少女。

現代に生きる天使、ED歌唱担当伊藤美来。

歌手として作品の両翼を担い、役者としても作品に参加する二人が、双方のファンに見守られながら激突するのだ。

開演時刻となり、二人による開演アナウンス。ステージにスモークが焚かれ物々しい雰囲気の中登場する二人。
「勝負と言うけど、はたして何をするのか」「台本上がってきたのも1週間前ぐらい」と勝負のガチンコ感を匂わせつつ、
「みっくが「ぼろ勝ちする予定」だと言ってたらしいと聞いちゃったんだけど」と切り出すMachico。
「ナメられたもんですよ!」と勝つ気満々であることをアピールするMachicoに、相対する伊藤も宣言通りのファイトアピールを返す。
このりゅうおう戦がMachicoの『コレカラ』、伊藤の『守りたいもののために』のリリースに際してのイベントの締めくくりということで、両者共にやる気は十分のようだ。

勝負の前に、まずは二人でのトーク。
衣装や楽曲、アニメで二人が演じたキャラクターのことや全国各地を回ったリリースイベントについて語り合う。

この日の二人の衣装はそれぞれのMVで着用した衣装で、これまでのリリースイベントでも繰り返し披露してきたものだ。
その衣装について「本物だ!」と興奮を見せて伊藤が差し示したのがMachicoのロングスカート。
このスカート、ロングスカートなのだが膝上辺りでスカートを分断するようにシースルーになっており、シックなチェック柄の間にMachicoの美脚が垣間見えるという独特な一品。目を引く個性的な見た目とセクシーさを兼ね備えた衣装なのだが、Twitterに投稿された「このスカートが某ギャクマンガ日和のダブルスカート平井を想起させる」というツイートが爆発的に拡散され、本人たちの耳にも届くという事態になっているのだ。先日の伊藤のリリースイベントでりゅうおう戦の話題になった際も、この衣装に言及して対抗意識を燃やしていた。
「知り合いから「公式で見た」よりも「バズってるので見た」と言われることの方が多い」と言わしめるこのスカート。「今日初めて見る人は『ダブルスカートまちこ』で覚えてってください」と笑いを誘う。

一方の伊藤の衣装を、Machiocoは「奇跡のサイズ感のニット」と表現する。
ゆったりとしたオーバーサイズのニットは優しく暖かな包容感と伊藤美来の大人っぽいかわいらしさを見事に演出しているよなあ、と私も頷くばかりであった。

横に並ぶと印象が正反対だね、と並んで比べる二人。
しかしこの日は共通点もあり、二人とも靴がラメ加工のもの。
Machicoはブーツ、伊藤はスニーカーで形は違うものの、共に足元をキラメかせての登壇であった。

お互いの楽曲の話では、「コレカラめっちゃいい」と伊藤が褒めると、すかさずMachicoが「みくだっていいよ」とイケメンぶった声で返す。
「え、ありがと」と素朴に応じる伊藤に「守りたくなっちゃうもん!」と畳みかけるMachico。
小気味よく茶番めいたMachicoと、やや素っ気なくもそれが愛らしい伊藤美来。早速の彼女らの「らしい」やりとりに私は破顔を抑えきれない。

長い付き合いであり、仲良しな二人であると語るMachicoと伊藤。
りゅうおうのおしごと!での共演により、伊藤のラジオにMachicoがゲストに行ったり対談インタビューを受けたりなど共に露出することも多かった二人。
そんな二人が自身の名前を冠しての合同イベントとして壇上に立つ姿に、見ている私も感慨が溢れてくる。

しかし、此度の舞台はりゅうおう戦。これから始まるのは二人の対決だ。
「みっくはこの世の天使でしょうよ。でも私は『大天使』だから!」と背負った役のためにも負けられないとはりきるMachico。

場も暖まってきたところで、今日の司会役である日本コロムビアの音楽ディレクター穴井氏が登場。
りゅうおうのおしごと!という作品と二人を引き合わせた男が、二人の対決を取り仕切るのだ。

「ガッチガチのバッチバチに戦ってもらいます。最終的にはダブルノックアウトの勢いで」と宣言する穴井D。
それに応えて伊藤がストレッチを始めると、「ぷぷ、弱そう」とMachicoが煽る。
詰め寄る伊藤、「おこったおこった~」と煽り続けるMachico。殴り合い(のジェスチャー)に発展。

女性声優にバトルアクションして欲しい欲望を抱えて生きている私垂涎の光景が展開される。

そんな戦気十分な空気で始まる第一局。
第一局の勝負は「将棋知識対決」。将棋の駒の名前をより多く書けた方が勝者となる。

ステージにテーブルとスケッチブックが運び込まれるが、早くもMachicoに暗雲が立ち込める。Machicoの前に設置されたテーブルが膝上くらいの高さで明らかに低すぎるのだ。テーブルを運んできたのが伊藤側のスタッフだったため、こんなところから勝負は始まっているのかと動揺が走る。Machicoのスカートがぴっちりしていて屈めずあまりにも書き難いため、テーブルを高いものに変えて再スタート。

主題歌という作品の顔を担当する二人であるから「これは当然引き分けだろう」と煽る穴井D。
それに応えて余裕ぶった表情を作る二人だが、制限時間が1分と告げられるとその顔もやや曇る。
知識だけでなく書くスピードも問われる勝負だと気を引き締め直し、対決スタート。それぞれ枚数を書き進めていくが、終盤になって伊藤の勢いに陰りが現れる。頭に手を置き悩む様子を見せる伊藤。勢いが戻らないまま1分が経ち終了を告げられるも、往生際悪く書き続けようとする姿も。

けっこう書いたような気がすると自信を見せるMachicoに対し、最後でつまづいてしまったと不安がる伊藤。

注目のカウントターン。
一手目は両者とも「王将」、二手目はMachicoが「銀将」、伊藤が「飛車」を出す。

ここで名前だけでなく動かし方も知っているかとそれぞれの書いた駒について問われると、伊藤は「ルークと一緒ですよね」とチェスになぞらえて危なげなく答える。チェスは弟と一緒に少しやったことがあるとのこと。
Machicoも「ポンポンポンポンと」とジェスチャーで動かし方を示して見せ、二人とも将棋知識に多少なりとも触れていることが窺えた。

スケッチブックをめくる手はまだまだ順調。
三手目はMachico「金将」伊藤「角行」
四手目はMachico「桂馬」伊藤「金将」
五手目はMachico「飛車」伊藤「銀将」と続く。

全然書けなかったら顔向けできないところだったと安堵したり、駒を書く順番にも個性が出るねと話す三人。
私見だが、Machicoは勉強して覚えた順番に、伊藤は印象に強く残っていた順番に書いていたのかなと想像する。二人の性格や将棋に触れている時の姿が想像できて面白い。

続く六手目はMachico「香車」伊藤「桂馬」
七手目は両者「歩兵」

そしてハ手目にて勝負が動く。
Machicoの出した駒は「龍王」。成駒まで登場したことに観客からも感心の声が漏れる。
一方の伊藤のスケッチブックには「香」と隣に数本の線。車と書きたかったのだと地団駄を踏む伊藤。

伊藤はここで無念の詰み、Machicoが残る「角行」「と」を出し勝利となった。


第二局は「体力勝負三番勝負」。
プロ将棋は体力も使うということで、二人のどちらがより体力に優れているかを競い合う。

勝負一番目はバランス対決。両手と片足を上げる某グリコのポーズでより長く立っていられた方が勝者だ。

「フラットな靴履いてるあの人!」とヒールのブーツのMachicoが条件の不利を訴えると、「衣装ですから」と強気に開き直る伊藤。
不安要素がありつつも、そこは「ムダに自信だけで生きてる」と豪語するMachico。
気を取り直し「この靴の差が凶と出るか吉と出るか」と勝負の体制に入ると、伊藤が「吉と出るか凶と出るか」と訂正しつつそこに続く。

勝負は目を閉じた状態で行うと告げられ、早々に目を閉じるMachico。
しかしそれはタイミングが早過ぎた。スタッフがマイクを預かりに来るも、目を閉じているMachicoはそれに反応できず、なかなかマイクの受渡しがうまくいかない。まだ(目を開けてても)いいかとMachicoが聞くと、まだ(マイク渡さなくても)いいかと勘違いしたスタッフが袖に戻っていってしまう。そんな一悶着もありつつ、準備を整えて勝負開始。

Machicoが先にふらふらし始めるも、次第に安定を取り戻す。入れ替わるように小刻みに震え出す伊藤。
しかし「足の上げ方が甘い。もうちょっと上がるんじゃないか」と物言いが入り足を上げ直すと、再びMachicoが大きくぐらつく。
この勝負も制限時間は1分間。既にそれなりの時間が経っていたため「ヤバイ、でもここまで来たら最後までいきたい」と粘るも、耐えきれず崩れてしまう。

「ふらつく度にファンのみんなが「おー」って声出すから集中がとぎれる」と指摘するMachico。
「まちこはすぐ人のせいにするよ」と自分で自分を茶化しつつ、バランス対決は伊藤の勝利で決着。

勝負二番目は握力対決。
過去に測った際の記録について「2桁いかないぐらいだったかも」と言う伊藤に「これは勝てそう」とMachico。

まずは測る順番をじゃんけんで決める。「じゃんけんは伊藤さんが強い」と振られる伊藤。
リリースイベント定番のじゃんけん大会では2回目で観客を全滅させるなど、じゃんけんの強さには定評のある伊藤。しかし本人は「こういう(勝負事の)時は弱い」とあくまで謙虚な姿勢。

Machico「最初はグー……じゃんけん、パー!」
伊藤  「最初はグー……じゃんけん、チョキ!」

勢いよく手を繰り出す二人。声だけを聞くと伊藤の勝ちのようだがどうも様子がおかしい。
二人の手をよく見ると、そこにあったのはチョキのあいこ。Machicoは「パー!」と言いながらチョキを出していたのだ。
「頭と口がごっちゃになってた!」と慌てるMachico。
仕切りなおして再びじゃんけん、Machicoがグー、伊藤がパーと出し伊藤が先攻に決まる。

握力計を構える伊藤に「本気出せんの?」と激励の声をかけるMachico。「まかせて、私の本気を見せてあげる」と応える伊藤。

「神様、一瞬にして私の握力を上げてください!」と神頼みを叫んで、ぎゅと計測開始。じっと力を込めるみっくかわいい。

測定の結果は「18.9」。予想以上の結果にすごい、やったーと興奮する二人。

続いてMachicoの測定。
神頼みをした伊藤に対して「私は神なんて信じない。己を信じるべし!」と力強く宣言するMachico。観客からも二人ぐらいから「おぉ~!」と感心の声が上がる。

Machico「反応少なくない!?」

(私は猛省した。Machicoがたびたび「自分のファンは反応が控えめ」とネタにするたび反省している。関心がないわけじゃない。注目してないわけじゃない。ただ僕の反応がどんくさいだけ。敏感なファンでいたい。)

そんなこともありつつ、Machicoの測定開始。
握力計を大きく構えて、「伊藤美来好きだーーーー!!」と絶叫しながら力を込める。
そのラブコールに「私より上であってほしい…」と呟く伊藤。

結果は「23.5」でMachicoの勝利が決定。

「バランスの伊藤」と「握力のMachico」。それぞれに称号を獲得し、三番勝負は1対1の白熱した展開に突入した。

三番勝負最後の種目は直接対決!腕相撲大会。

「さっき握力で負けてるんですけど!」と悲観する伊藤に「これは勝ったも同然」と余裕ぶるMachico。
しかし勝負はそう簡単には決まらない。この勝負は本人たちだけでなく、それぞれのスタッフも引き連れて3対3の陣営戦となる。

一戦目、三将戦はコロムビア販促スタッフ対決。
Machico陣営からは入社10年のベテラン渡邊氏、伊藤陣営からはリリースイベントでもおなじみの川村氏が参戦。

転職組で入社1年目の川村氏に対し、10年目が1年目に負けるわけにはいかない、力の差を見せつけると宣言する渡邊氏。
先輩でもぶっつぶす、ブラジルまで行く勢いで倒して見せると意気込みを返す川村氏。

静かに火花を散らす二人に「私たちが緊張してくる」と息をのむMachicoと伊藤に見守られながら、開戦の合図が鳴る。
勝負は一瞬だった。驚くべき速さで川村氏が渡邊氏の腕を押し倒す。あまりの瞬殺っぷりに「明日の飲み会のネタは決まり」と茶化す穴井D。
守りたいもののために力を見せつけた川村氏の圧勝により、初戦は伊藤陣営に勝ち星が付いた。

二戦目、副将戦はマネージャー対決。
Machico陣営はホリプロ李氏。伊藤陣営はスタイルキューブ高橋氏。驚きの女性vs男性対決となる。

「おじさんに勝ってみせます」と意気込む李マネの前に立ちはだかる高橋マネ。「負ける気はしない」「空気も読まない」と気迫を見せつける。

「まさかみっくがぼろ勝ちするって言ってたのはこの一戦があるからか…?」と怪しまれる対戦カード。さすがにハンデは必要ということで、李マネは両手を使用することに。

一瞬で決着の着いた一戦目に対し、二戦目は膠着状態が続く。
言葉通り妥協を見せない高橋マネに、必死にくらいつく李マネ。じわじわと押し合いを続ける状況に、「女の子にはやさしくして!」と伊藤が叫ぶ。
「見てられないよ!」と敵陣営の李マネの応援を始める伊藤。次第に高橋マネの腕が押されていき、ついに打ち倒される高橋マネ。
勝利をもぎとった李マネに駆け寄るMachicoと伊藤。三人で円陣を組み、ぐるぐる回って勝利を喜ぶ。

そうして1対1でもつれこんだ大将戦。
戦うのはもちろん我らがMachicoと伊藤美来。

「負ける気がしない!」と強気なMachico。

「みんなの想いを背負ってるから負けられない」とやる気では負けない伊藤。

「こんなオーバーニット着てる女には負けない!」
「こんな面白いスカートはいてるやつには負けない!」と挑発し合いつつ勝負開始。

はたして結果は、さっくりとMachicoを下して伊藤の勝利。あまりの惨敗っぷりに崩れ落ちるMachico。

ところで突然だが、Machico『コレカラ』のMVの3:16辺りを見てみて欲しい。
この衣装がどういう衣装か分かってもらえただろうか。そう、つながっていないのだ。意外と上の方までずり上がっちゃうのだ。
この衣装で、こちらに背を向けて、背中を丸めてうなだれるMachico。
大変なことであった。あれは、大変なことであったよ。

思った以上に気持ちよく勝てたと喜ぶ伊藤。
さっきの握力勝負はフェイクだったの!?と訝しむMachico。

第二局三番勝負は1対2で伊藤の勝利となり、「みんなありがとー!」と観客と喜びを分かち合う。


互いに1勝を取り、決戦の第三局。発表された勝負内容は「絵心対決」。絵のお題はお互いの似顔絵。

「勝ちましたわ」と勝ち誇るMachico。
「もらいましたね」と伊藤が追従すると、会場一丸となって「え~~!?」と困惑の大合唱。

ファンの間での伊藤の絵心の周知のされ方に苦笑いしつつも、この時点ではまだ自信を見せる伊藤。

絵は事前に描いてきており、Machicoは「我ながら会心の出来。みっくのファンにも「よくやったな」って思ってもらえるものができた。みくへの愛をぶつけたよ!」と期待を煽る。
対する伊藤も「今まで人間を描いてきた中で一番上手く描けた」と自信満々。

まずはMachicoの書いた伊藤の似顔絵から公開。このイラストはMachicoのブログにも掲載されている。

 

 

りゅうおうのおしごと!にて伊藤が演じる男鹿ささりのコスプレをした伊藤を描いたというこのイラスト。
イラストのポイントとして、シャンプーのCMに出れそうなとぅるんとした髪のサラサラ感、助けたくなるような困り眉、眼鏡より大きいぐらいの目、そして男が好きな感じの仕草といくつものこだわりを挙げていく。 

対談記事にて伊藤美来の宣伝隊長を自称していたMachico、その名に恥じない一品であった。

Machicoの描いた似顔絵を見た伊藤、「普通に欲しい」と呟き「帰っていいですか」と自信喪失。

続いてそんな伊藤の描いたMachicoの似顔絵を公開。文章で上手く形容できないため、次の記事の写真で確認してほしい。

(こちらの記事、この場面の写真が見たかったんだ!という写真が多くてとても良いです)

 

こちらのポイントとして、キャップをかぶっているイメージだったのでキャップをかぶせ、Machicoは笑っている顔が印象的だから笑顔を意識して、頬の丸はチーク(アンパンではない)、前髪の分け目も再現したなどの伊藤なりのこだわりを語る。

「愛は感じた」と頷くMachico。輪郭や眉と目が近い感じも似てると語り合う。
ちゃんと写真を見ながら書いたんだよと言う伊藤に、「みくの時間を使ってくれたことが嬉しい」と笑顔を見せるMachico。

両者の似顔絵が出そろったところで、どちらがより上手かったかを観客の拍手で判定。
Machicoの絵に対しては納得の拍手喝采。伊藤の絵に対しては、完全に静まり返る会場。
「ゼロ!?1人ぐらいいろ!」と狂乱する伊藤。「みくがこわれてしまったよ」とMachicoの言葉が空に響いた。

 

全三局の対局が終わり、2対1でりゅうおう戦を制したのはMachico。
賞品として「これをつかってより将棋に詳しくなってください」と勝者Machicoには大きい将棋セット、敗者伊藤には小さい将棋セットが贈られる。

りゅうおう戦に決着がつき、それでは後は二人に任せて…と次のパートに移行しようとした穴井Dを「ちょっと待ったー!」と伊藤が制止する。
伊藤が往生際悪く泣きの一回を申し入れてきたか、と構えるMachico。そこに流れてきたのは、誕生日を祝う定番のメロディ。
(但し歌はよく聞く英語のものではなく、日本語の「お誕生日のうた」(コロムビア取扱中))
Machicoの誕生日3月25日が目前ということで、サプライズの誕生日ケーキが登場。「チョコレートケーキだ!」と喜ぶMachico。
改めて会場全体でバースデーソングを歌い、ろうそくを吹き消してお祝いする。伊藤に喜びのハグをするMachico。

26歳になるということで、もうそろそろしっかりしなきゃ、人として大人なところを見せたいと語るMachico。
それでいていつだって無邪気に、元気と笑顔を届けたいとこれからの意気込みをまとめた。

また、この日3月18日が伊藤が某アイドルコンテンツで演じているほにゃら尾ほにゃり子の誕生日ということにも触れられ、こちらにもお祝いの歓声が贈られた。

バースデーサプライズも成功に終わり、続いてライブパートへ。
まずはOPのMachicoの番ということで、伊藤は先程の誕生日ケーキと共に舞台袖へ捌けていく。
「ケーキ、一人で食べてるね」「ウソだよ~」と茶目っ気を見せながら退場する伊藤に、残ったMachicoは「天使だな~」と呟きをもらす。

周りの人たちの応援にいつも元気とパワーを貰ってる、と語るMachico。
「お祝いありがとうの気持ちと、りゅうおうのおしごと!のこれからを願って」と前置きして、1曲目に歌うのはりゅうおうのおしごと!OPテーマ『コレカラ』。
これまでのリリースイベントの会場と比べてライブハウス然とした会場にMachicoの快活な歌声が響き渡り、フロアの温度はどんどん上がっていく。ノリ良く盛り上がる観客に「いいね!」と返すMachico。

「みんなの笑顔を見ていると歌うのが楽しくなる」とボルテージを上げて、続いて歌うのはカップリングの『ギミーラブ』。
「ギミーラブのテーマは『歌に対してのラブソング』。みんなも音楽への色んな自由な気持ちを開放して楽しんで欲しい」と語るMachico。
曲中のコール部分については「覚えてなくても大丈夫」といつもと同じ前置きかと思いきや、「口パクでいける。Machicoファンががんばってくれるから!」とMachicoと伊藤美来双方のファンが集うこの場ならではの振りが入る。「ハードル上げたよ~?」と自身のファンを煽るMachicoに、その信頼に応えねばと私も奮起。いつも以上に高いテンションをベイビーに捧げる。そんないつも以上にエモーショナルにノッている私の身体を、ラストのロングトーンがビリビリと掛け抜けていった。

歌い終わったMachicoの元に再び登場した伊藤が開口一番「あついよ!さっきと温度が全然違う!」と興奮にあてられた様子。
「ここからはウチのかわいいみっくの番」と袖に戻っていくMachico。その去り際に、すれちがいながらバトンタッチを交わす二人。戦隊モノの最終回でレッドと次のシリーズのレッドがやるやつ――!と私の特撮好きの血が騒ぐ。

ステージに立った伊藤は、次に歌う『守りたいもののために』について「あたたかみと、その中心にある強さを歌った曲。一つ一つ言葉を一所懸命に伝えさせていただく気持ちで歌う」と語る。

Machicoが熱を高めた会場に、伊藤美来の情感溢れる歌声が染みわたる。
この曲のライブでのポイントの一つは、伊藤美来の視線の使い方だ。歌の合間に、やや下向きに左右に振る流し目は、手の届かない『守りたいもの』へと向けた視線のように思える。しっとりと切なく伏せられた視線。そしてそこに曲の後半、歌詞に合わせるように柔らかな笑顔が加わり、視線がまっすぐ前へと向くのだ。繊細な歌声と、柔らかな仕草と、感情が揺れる表情。伊藤美来のライブ表現の美しさが詰まった一曲である。

続いて歌われるカップリングの『あの日の夢』。
りゅうおうのおしごと!第7曲のEDであり、作中のエピソードに寄り添うと共に、夢を追う誰もの胸に迫るものがあるであろう一曲。
感情を伝える歌声、心を揺さぶる歌声とはこのことなのだろうと思う。感嘆するのは、リリースイベントを経て歌唱を重ねる度に聞こえ方が変わっていくところだ。より深く、より強く、より大きく、心身の振るえ方が変わっていく。

歌い終わり、袖から現れるMachicoだが、ステージに上がろうとしてつまづいてしまう。
「感動したって言おうとしたらコケてしまった」とのMachico。
「あの日の夢がすごい好き」と伊藤の声の繊細さ、切なくなる気持ちを褒め、「この命の限り守るよ」と伊藤美来への愛を膨らませる。

OPからEDへと続けて披露したことで、アニメを背負ってきたことや二人の曲の繋がりを実感できて心から良いイベントだったと語り合う二人。

イベントも閉幕が近付き、二人からの最後の挨拶に入る。
Machicoは「昔から知っていた伊藤とレーベルメイトになれたことが嬉しい」「OPとEDの合同イベントが開催できるなんて思っていなかったから今日は楽しみにしていた。自分達の涙と絆の戦いを、それぞれのファンが一体となって笑顔になって、お互いの好きなものを応援しあえる素敵なイベントだった」と語り、最終回に向かって放送中の「りゅうおうのおしごと!を最後まで見届けてください」と締める。

伊藤は「EDを担当すると聞いた時、OPは誰だろうと思って。それがMachicoさんだと聞いて、これはもう絶対いいものになると確信した。それくらい信頼感が大きい」「作品を通して歌わせていただけて光栄だった。役者としても記憶に残る経験ができた」と語り、こちらも「最後まで八一とあいちゃんを応援してください!」と締めくくった。

挨拶を終え、二人でステージの端から端まで手を振って練り歩きながら退場。
Machicoイベント恒例の別れの挨拶「サラバダ」は行わなかったが、私はしっかりちゃっかり狐ハンドで手を振り返した。


Machicoと伊藤美来。個人的に強く応援している二人の合同冠イベントということで、かなりの思い入れを持って観戦に参じたこのりゅうおう戦。
二人それぞれの魅力をつぶさに発揮してくれて、笑いあり笑いあり感動ありの充実した時間を過ごさせてもらった。
1月から続いてきた『コレカラ』『守りたいもののために』のリリースイベントもこれで本当に最後と思うと寂しさも覚えるが、こんなに楽しい思い出を貰ったならそんなことは言っていられない。

二人の"これから"をもっともっと応援していこうと、気持ちを新たにして帰路に着いた。