――――収穫の喜びを、君と。
- Rewrite Harvest festa!/KEY
- ¥6,090
- Amazon.co.jp
Rewrite発売から一年、当方でも小規模ながら二次創作を公開させていただいたりといろいろと楽しませてもらっていますが、キャラクターも世界観もまだまだ描く余地のある作品なのでこのFDはとても楽しみにしていました。
ヒロイン毎のミニエピソード6本とミニゲーム、アクセサリ集等で構成された本作。簡単にですが、一つずつ感想を述べていくとしましょう。
※注意:軽くネタバレを含みます。またこのFD自体がRewrite本編のプレイを前提としているので、それを踏まえた上でお読みください。
『この良き日に』
小鳥ルートアフター。決意と共に病院を飛び出した瑚太朗と小鳥がその後、気持ちを通じ合わせ結ばれるまでの物語。
感想を一言で言うなら、見たかったものが見られた! これこそ待ち望んでいたアフターエピソード!
文句のつけようが無い「天王寺瑚太郎と神戸小鳥のハッピーエンド」でした。
長い長い時を孤独に戦い続けていた小鳥。その想いが遂に報われた様に、もう心の中で何度「良かったねぇ……!」と発したことか。
告白の時の「瑚太朗君が誰かに取られちゃう…!」というセリフには泣きそうになりました。
幸せになった小鳥さんを見てると本当に胸が暖かくなります。
照れっ照れなぎこちない交際模様は読んでてめっちゃニヤニヤしてました。小鳥さんちょうかわいい。
結婚祝いのプレゼント、どれが誰のものかと想像するのも楽しいですね。ケーキは羽飾りからちはやと咲夜、プラチナチケットは朱音さん(まさか例のチケットではあるまいな)、さんま缶詰め合わせは考えるまでもなく静流で、手袋はひまわりのアップリケからルチア。ティーセットは江坂さんで……消去法であのYES/NOペアルックは西九条さ……いったいどんな顔であのプレゼントを選んだのか、見たいような見たくないような……
『ダブルチア』
ルチアルート……というかアカリルート? でもアカリ=ルチアなわけで……まあなんでもいいか。
ゲームを起動して一番初めに驚いたのはOPのルチアのCG。事前公開版では一人でしたよね確か。
ただイチャイチャするだけの話にはしないのだろうなと思っていましたが、またなかなかに変わった話にしてきましたね。イチャイチャはイチャイチャで濃厚でしたが。このカッポゥだけエロゲーっぽいイチャつき方をする……実際エロゲーが下地になってますが。コタさんの性格はヒロインに影響されるところが大きいわけで、つまりコタさんがあんななのはルチアが淫r
朝樹りささんの演技が光っていました。アカリの「私はルチアだ」というセリフのときの声色の変わり方とか。
しかしブレンダ一派はまたまた超科学発揮してきましたね。無線式人格アップデートってあれ要は擬似的な転写能力じゃん。もう彼女ら人工聖女作れちゃうんじゃ?
『遠くまで旅する人たちへ』
ちはやルートアフター。オカ研ワイワイ編。
本編共通ルートの雰囲気+αな感じで楽しかったです。小鳥と会長もちはや屋敷に住んでいたりとなかなか楽しい状況になってて。没落お嬢様キャラな会長かわいい。扇風機に当たりながら「ジュース我慢した貯金…」とかいい味出してる。
恋人としてのちはやもとても可愛かった。正統派カップルなちはコタも好きです。ほんに、ルチコタと比べ……てはいけないほどの純真っぷり。ほほえましくってもう。
そしてしっかり最後を持っていく咲夜。Rewrite本編のmoon編は枝世界の描写が深まるほど感慨深さが増すという物語構造的最強属性を持っているわけですが、その中でも咲夜の存在感の大きさは一入。またmoonやりたくなりました。
『Strange fantasia』
静流ルートin乙杯ルート。最初に「この世界」の話だと知ったときには目を疑い、いったいどんな話になるのだろうとある意味一番期待していたこのエピソード。案の定最高にハイな物語だったぜ!
いやあ面白かった。しっちゃかめっちゃかな中に色々な要素が詰め込まれていて。次元バカ弾を受けたヒロイン達に大笑いして(特にちはや。セコい朱音さんも可愛かった)、シュウちゃんソウちゃんと呼び合っている二大組織の幹部を想像して大笑いして、同期組集結で胸が熱くなって。もうあれ最大の見所と言ってもいいぐらいの興奮ですよ。集った目的がアレですが。朱音ちゃまとか呼んでる津久野さんにも大笑いした。
静流と瑚太朗の馴れ初めが描かれたのも良かったですね。不思議超人静流さんだけど恋愛事になると普通の恋する乙女になっちゃうの可愛い。
そして最後に果たされる静流との約束。うん、まあ、思い出補正でほろりとしちゃったけど、うん、まあ……幸せなら良かったんじゃないかな。
『イチャ×2クエスト』
加島朱音ルート。これもまた事前動画ではうまいこと隠されてましたね。ifだということは公開されてたので大した隠しではありませんが。なるほど、アウロラ不活性世界というのもあるのか。
いろいろなしがらみのない世界。オカ研メンバーの皆が過酷な運命を背負わず、無邪気に生きるその世界で――会長はダメお嬢様キャラでしたとさ。
傲岸不遜な会長もダメダメヘタレな会長もドヤ顔な会長も本音を吐露した会長も恐怖で退行しちゃう会長も不器用な会長も、どの会長もとても可愛かったですね! 楽しげにオカ研の活動(というか瑚太朗との活動)してるところも良い! 会長の色々な顔が見られて楽しかった! 普通のラヴコメも良いものでせうね。
タイトルからしてもうこれは深く考えず存分に楽しめと言われた気がしたので存分に楽しみました。面白かった。
ところでちょっと考えてみると。いろいろなことが幹世界からズレている端枝世界ですが、共通しているところ、似通っているところもあるわけで。逆を言えばこの端枝世界で描かれたことの中に「幹世界でもそうだったこと」が含まれている可能性もあるのです。何が言いたいかというと、朱音さんが瑚太朗をオカ研に引き入れた理由に幹世界でも同じようなものが含まれていた可能性があり、幹世界の朱音さんが過去の瑚太朗を覚えていたことの裏付けになるかもということです。妄想レベルの少々強引な論立てですが、朱音さんの心情想像がちょっと捗るかもですね。
『あなたの記憶の物語』
エピソード・オブ・チャンカガリ。
瑚太朗が渡り歩く示唆に富んだ泡沫世界。世界の構築の仕方、描き方がとても面白かった。
篝ちゃんも良いキャラでしたね。あるいはもう少し瑚太朗と篝ちゃんの交流を見てみたかったところ。
moon編のサイドエピソードというべき一面を持っているこのお話。絶望と未練の狭間の世界で人に落ちた篝が求めたものに、篝が瑚太朗のメッセージから受け取ったものの一端を垣間見たように思います。
『リライトクエスト』
おまけミニゲームと侮るなかれ。こっちが本編とばかりにボリュームも多く予想以上に良く出来たRPGでした。ダンジョンをうろついているだけでも楽しいほどにボイスも豊富で、ゲームバランスもそこそこ良く、シナリオも面白かった。moon編の楽しさと興奮をもう一度味わえるかのようなストーリーに、なかなか興味深い要素も多く明かされて。
ミドウ組の掘り下げや、瑚太朗が記憶を失った世界での西九条の動向。彼女もまたルイスに関っていたというのには驚きました。ルイスの存在が与える影響はかなり重要だったわけで。ルイスはいい男ですね本当に。そして最後に加島桜の心情の一端、彼女が持ち得なかったものも。最後のCGはぎるとぱにの出自を示唆していたりするのでしょうか。
ラスボス前での仲間達の言葉はとても胸に迫るものがありました。特になにより朱音さんのセリフ! もうやばい超萌える。
もちろん馬鹿ばかしさでも一級品。篝ちゃんのお茶目っぷりが楽しかった。隠しダンジョンのモンスターには入った途端に大爆笑させられました。フードのやつらがツボ。一番気になったのは「謎のシャドウ」ですが。彼との縁はあんななのか……まあ枝世界ではそうなるのかな。なんという一方通行な縁。いまみー合掌。
ちなみに私のメインパーティは瑚太朗、ちはや、篝、しまこ、朱音、小鳥。雑魚戦ではしまこwith強化ちびもすが大活躍してました。
現在のプレイ状況は隠しボスに一度負けた所。なにやら吉野ソロで倒すと何かあるとかないとか、らしいのでそれを目指しつつ小鳥のアトリエに入り浸ってメモリーコンプも目指そうか、といった感じです。
……と、シナリオの感想はひとまずこんなところ。総評としてはとても満足度の高いFDでした。Rewrite本編をプレイした後、もっと見たい! と求めたものを得ることができた。オカ研でワイワイやってる風景がたくさん見られて楽しかったし、朱音さん可愛かったし!(重要)
そんなわけで今回のこのファンディスク、とても楽しませてもらいました。今のこの高揚の現出はいずれまた近いうちに。