
ライブで最も盛り上がる楽曲「凸凹マイウェイ」で人気の3人組アイドル「桜花爛漫」。
不動のセンター的な役割を果たすのが「白石彩花」(愛称は「彩花まる」)だ。
色白の美貌で、決して力感を印象づけない、どこか不可思議な謎めいた少女、といったところだ。
自称19.5歳(未成年)で、アイドル活動以外の生活ぶりには一切触れないことを見ても謎めいている。
桜花爛漫のライブを観ると、彩花まるにあえてセンター「的」と付けたのは、ファンを盛り上げるような煽りは中学生の「七瀬瞳」に任せ、MCの中心は16歳「涼野みら」が担っているからだ。
それでも彩花まるの美貌からして人が集まらないわけがなく、グッズ販売では気さくな楽しい時間をファンに与えてくれる。
そんな彩花まるに対して、長くアイドルを続けてほしいとか、アイドル以外の活躍を見たいとはなかなか言えない雰囲気がある。
それは、彩花まるの真意がつかめないからなのだと思う。これを目指すとか、こうありたいという願望は、ステージで、またはSNSを通じた言葉で必ず伝えてくるところ、ライブを観るようになって1ヶ月あまりの期間、私はいまだ聞いたことがない。
この不可思議な、先日のお花見撮影会で太陽光が苦手そうに見えた彩花まるに、「知らぬうちに月に帰ってしまいそうだ」(それには突然の卒業、引退の意味を含む。)と私が彩花まるに話して、納得の表情をされたのにもまた惹かれるのだ。
見えてきそうなものが見えないことで、今観ておかないと後悔する、心配で仕方がないと思わせる彩花まるに、「あえて素性、核心は見せないことで、関心を持たせてライブに来てもらうのが戦略だった」と後日言われることになれば、「生涯で印象に残るアイドルのひとり」となるかもしれない。
なお、分からないことは他のメンバーに聞くのが定石だが、私はあえて聞かないことにする。大切なこと、真実はいずれ本人の口で話すだろうし、この不可思議さをしばらく楽しみたい。
もっとも、メンバーに聞いたところで、こう返されるのは明白なのだから。